Episode2:ツールショップ

 その雑貨屋は、店主が一人で切り盛りしている。

 営業は基本的に、お客さんが来れるヌーンアワーの間だけ。

 ナイトアワーの間、客から依頼された品物を作成したり、畑でいろんな作物を栽培し、次に備えている。

 しかし今日は、夜にも関わらずお客さんが現れた。

 それは、粒子学者だった。



-やぁ、やってるかい?

-どうしたんだい?というか、どうやって来たんだい?

-あの子のおかげさ。

-その子は何だい?コメンタとは違うね。

-うん。アンドンと呼んでる。

-そんな生物がいたなんて知らなかったね。ダークゾーンを通ったんだろ。本当に何ともないのかい?

-問題ないよ。それより、買い物がしたいんだ。とりあえず、これを詰められるものがのこってないかい?

-それは死素ポルポかい?随分持ってきたね。

-彼の光の源さ。これで、夜の中でも向かうことができる。

-そういえば、他にも荷物があるね。どこに行くんだい?

-スターシティにね。

-かなりの長旅じゃないか?次の恒星が来るのを待った方がいいんじゃないかい?

-それじゃ、間に合わないかもしれないんだ。

-急ぎの理由は?

-お見舞いだよ。だからお見舞い品も欲しいんだ?

-あいにく、すぐ渡せるようなものはもうのこってないんだ。

-材料は取り寄せてるだろ?フールセックを作ってくれるかな?

-…そうか。分かった。少し待っててくれるかい。あと死素ポルポを詰めるものなら、ハーブティー用に取り寄せたボトルがある。

-使っていいのかい?君のハーブティーは人気の品だろう?

-構わないさ。すぐ用意する。それと、フールセックは少し甘さ控えめがいいかな?

-うん。それをお願いするよ。



-お待ちどうさま。そっちも終わったかい?

-詰め終わったよ。

-ではこれ。甘さ控えめね

-ありがとう。

-あと、これはサービスだ。

-これは、ハーブティーかい?

-のこり物のブレンドだから、味は保証できないよ。

-きみが作ったものなら、間違いないさ。

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