12 骨売りのお店
骨売りのお店
街を歩きながら、ホラーは獣の骨を売っているお店を見つけては、立ち止まってガラスの向こう側にある歪な形をした獣の頭蓋骨の骨を見つめていた。この間、贅沢をして獣の頭蓋骨の骨を買ったばかりだから、次の骨をすぐに買うことはできない。(お財布の中も古いコインが三枚あるだけで、ほとんどからっぽのままだった)
それでもホラーは骨を観察し続けていた。それにはもちろん理由がある。それは今ホラーが待っている獣の頭蓋骨の骨の女の子がホラーに夢の中で『私のお母さんを見つけてください』とお願いをホラーにしてきたからだった。その願いを叶えるためにホラーは獣の頭蓋骨の骨の女の子のお母さんを探すためにこうして貴重なお休みの日に根っこの街の骨売りのお店歩いて回っているのだった。(もちろん骨好きなホラーにとってそれは趣味をかねる行動でもあった)
そんなある日、ホラーは気になる骨売りのお店を見つけた。そのお店はまるで隠れるようにして街の片隅の路地の奥にあった。そのお店をホラーが見つけたのは偶然だった。猫を追いかけていたらそのお店までたどり着くことができたのだった。その猫は不思議な猫で背中に星の形をした白い模様のようなものがある黒猫の子猫だった。(映画の中にでていた子猫にそっくりだった)
路地の奥まった場所にある古い石階段を少し降りたところに骨売りのお店はあった。お店の看板もなくて、その代わりに子猫がいた。ずっとホラーが追いかけてきた子猫だった。いつもならあ、猫だと思うくらいなんだけど、今日、ホラーが猫を追いかけたのはその子猫がどうやら足に怪我をしているように見えたからだった。(足を引きずっていたのだ)
背中に星の模様のある黒猫は骨売りのお店の木の扉の横にある樽の上で丸まっていた。そこがいつものこの子の居場所なのだろうとその安心している子猫の顔を見てホラーは思った。(ホラーが石の階段を降りてすぐ近くまで行っても子猫は怖がったり、逃げたりしなかった)
看板がないのにホラーがこのお店が(あるいはこの古い扉の先にある空間が)骨売りのお店であるとわかったのは、骨が飾ってあったからだ。それもすごく質の高い、芸術品のような骨ばかりが並んでいた。(ホラーは思わず、子猫よりもその骨に目を奪われてしまったくらいだった)
そのガラスの向こう側に並んでいる骨の中には、いろんな種類の動物の骨に混ざって、ホラーが探している獣の頭蓋骨の骨もあった。でもその獣の頭蓋骨の骨はすごく素敵な(お金があれはすぐに買いたくなってしまうような)骨だったけど、今、ホラーが探している獣のお母さんの骨ではないように見えた。(運命的な出会いをこのお店に感じていたから、もしかして、と思ったのだけど、そのことを確認して、残念と思った)
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