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「こんにちは」そう小さな声で言いながらホラーは流刑地の古い木の扉を(勇気を出して)開けてみた。(……ぎーとそんなきしむ音がした)
お店の中から返事はなかった。薄暗い店内の明かりはろうそくの火の明かりだけ。店内は思っていた以上に狭くて、その狭いお店の中にぎっしりといろんな動物の骨が綺麗に整頓されて陳列されていた。(その骨の中にはとても珍しい動物の骨もあった)
すごいお店だな。とホラーは思った。こういうお店のことを穴場というのだろうか? (もしかしたら骨好きな人たちの間では有名なお店なのかもしれないけれど……)ホラーはゆっくりと飾ってある骨を見ながら狭いお店の中を歩いていく。
すると少ししてぎーという小さな音がお店の奥から聞こえてきた。ふとホラーが音のしたほうを見ると、そこには大きな動物の頭蓋骨の骨を抱えた一人の女の子がお店の奥の扉から出てきたところだった。(その可愛らしい女の子はホラーを見てすごく驚いた顔をした)
「あっ、すみません! お客さんが来ていたことに気が付かなくて。えっと、今日はどんな骨をお探しですか?」と慌てながら女の子はホラーに言った。
その慌てた仕草が可愛らしかったので思わずホラーはくすっと笑った。
「こんにちは。今日は獣の頭蓋骨の骨を探しているですけど、あったりしますか?」
「獣の頭蓋骨の骨ですね。はい。立派な骨がありますよ。お客様は幸運ですね。実は昨日まではなかったんですけど、今朝、本当についさっき本当に立派な骨を手に入れることができたんですよ」と女の子は言う。
その女の子の言葉を聞いて、ホラーは自分の心臓がどくんと一度高鳴ることを感じる。この骨かもしれないと思った。そんな予感がした。
「その骨を見せてもらうことはできますか?」
「はい。もちろんです。そこの椅子に座ってお待ちください」女の子は店の奥にあるテーブルと椅子を見ながらそう言った。(両手は大きな骨で塞がっていた)
「どうもありがとう」とホラーは言った。
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