kanibarizumu
二〇二〇年、未知のウイルスが世界を混沌に陥れた。新型コロナウイルス、後にコビッド、オミクロン等々と呼ばれるこの病原体は、人体に悪影響を及ぼす。それは身体だけではなく、心までも、むしばんでいく。
緊急事態宣言が起きる前、人々は「自分には罹らないだろう」と楽観視をしていたのは事実。駅の中、バスの中、マスクをせず、咳をばらまく輩もちらほらいた。そしていざ罹ると、まさか自分がなると思っていなかったと、嘲笑したくなる回答を皆がした。まさかあの子が。まさか亡くなるなんて。日本人の楽観的思考が見て取れた。
しかし得体の知れない菌に、怯える日本人がいたのもまた事実。蝙蝠か。ネズミか。菌の発生場所に、さまざまな憶測が飛び交う中、ネットではコロナウイルスによる炎上騒動が飛び交っていた。コロナに関する失言、マスクに対しての考え方、デマ情報。YOUTUBER、芸能人、その他諸々が燃えると、羽虫が飛び回り、誹謗中傷という卵を心に植え付けていく。
自粛生活が長くなると、SNSの利用が増える。従って、コロナの嫌な記事を目にする回数が増える。社会に不安を感じ、正義感が暴走する。未知のことに恐怖し、ストレスが急上昇する。
そうして心がコロナに侵され、ゆがんだ正義感を持つ者達が完成する。
奴らの名称はゾンビ。文字通り菌に侵されたからゾンビだ。
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