第14話 生徒達は戦力外を切り捨てたいようです。

 真矢side

 自分、紗矢、拓也はカードの入っているパックを開けて組んで行こうとする。


 自分にはカード知識がないから、ローブの男から聞いたらルールブックをくれただけだ。


(拓也、紗矢、自分にはカード知識がないからな)


 真矢は考える。


「会長」

「?」


 真矢が振り向くと男子がいた。


「どうしたの?(誰だろう?)」


 真矢が作り笑顔で対応する。


「相談したいことがあるんですが大丈夫ですか?」


 男子は真剣な表情で言う。


「ええ、大丈夫よ」


 作り笑顔で真矢は応える。


「紗矢、拓也ちょっと言ってくるね」


 紗矢、拓也に声をかける。


「いってらっしゃい」


 拓也は優しい表情で言う。


 真矢は拓也、紗矢から離れて別に生徒が集まっているグループに来た。


「それで、相談ってのは?」


 真矢は作り笑顔で代表の男子に話をする。


「会長に俺たちのグループコミュニティに入って一緒に戦って欲しいです」


 男子は真剣な表情で言う。


「どうして?」


 真矢は気になって聞く。


「敵の情報を教えてくれる人がいたんです」


 男子は話をする。


「ふむ」


 真矢はうなずいて男子の目を見る。


「その人の情報だと敵の初期デッキは100枚、初期手札8枚らしいです」


 男子は説明する。


「……聞く限り倒すの難しくない?」


 真矢は数字を聞いてかなり強敵に聞こえた。


「ただ、今回の戦いは1戦1戦でのデッキ枚数は元に戻らず1戦終了ごとの回復は5点しか回復しないみたいなんです」


 男子は真矢の目を見返して説明をし続ける。


「……ということは(なるほどね)」


 真矢はうなずき始める。


「生徒の人数で総当たりで行けば確実に勝てるということです」


 男子は希望に満ちた感じで話をする。


「なるほどね」


 真矢はうなずいて男子を見る。


「それで具体的なカードの戦い方はあるの?」


 真矢は男子に聞く。


「パックを開けてカードを調べたりしたんですが」 

「ふむ」


 真矢は男子の言葉を待つ。


「プレイヤーにダメージを与えるのに特化した魔法を主体で組むのが良いと思います」 


 男子は真剣な表情で言う。


(ルールブックを見た時に魔法に関してはモンスターの防御や基本軽減は出来ないと書かれていたからな)


 ちなみにルールブックは開くと映像が流れたりするのでわからない箇所は手でふれると調べられる。


「それでどうして自分に声をかけたの?」


 真矢は冷たい目で男子を見る。


「あなたがデッキ枚数、初期手札が多いので声をかけました」


 男子は笑顔で言う。


「そうなんだ(鑑定結果を盗み見ていたのかな)」


 真矢は不機嫌そうな表情を見せる。


「それで、副会長も連れて俺たちのグループに来て欲しいです」


 男子は真矢の目を見る。


「……拓也君は?」


 真矢は冷たい瞳で男子を見る。


「会長、あんな雑魚はみす!?」


 男子は寒気と恐怖を感じ始める。


「……自分の愛するかぞくを雑魚呼ばわりするなら入りたくないかな」


 真矢は冷たい瞳で男子の瞳を見てその場を離れる。


「え?か、家族?」


 男子は驚いた表情を見せる。


「会長、ま!?」


 男子は会長の手を掴もうとするが手をはたかれる。


「大切な人を悪く言う人間とは関わりたくないかな」


 冷たい笑顔を向けて男子に言う。


「っく、クリアするぞ」


 不機嫌な様子で男子は言う。


男子side

 10人分のデッキは組み上がっている。

 だから、確実に勝てる。

 

 勝てば会長、副会長も見ているはずだ。

 

「それじゃあ頼んだ」


 他の男子に声をかけて先陣で行った。

 戦いは掲示板で相手のデッキ枚数、情報が見える。


(頼んだぞ)


 

 


『プレイヤー敗北、対戦相手デッキ70+5』

「良し、行ける」


 男子は喜び回りに声をかけて士気を上げる。


「行きます」


 次のプレイヤーが戦いに行き、3、4人と敗北して行った結果。


『対戦相手デッキ15』

(よしよしこれなら確実に倒せるな)


 男子は勝利を確信した表情を見せる。


「……皆、念のためだが俺が入って戦う」


 男子は皆に言う。


「え?」


 他の人は戸惑った表情を見せる。


「心配するな。すぐ倒して戻ってくる」


 男子は皆が止める前に強引に入り口に入った。


(情報を教えてくれた人からの話しだと初回で倒したプレイヤーには報酬があると聞いたからな)


 男子は黒い笑みを浮かべる。


「他の生徒を利用して、報酬はいただき」


 男子は楽勝ムードで扉をくぐる。






 しかし、男子は気づいてなかった。


 この一連の情報が罠であることに気づいておらず。


 これから男子は新の恐怖的な戦いを体験することになるとは思っていないだろう。 














 


 





 


 

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