第10話 答え方を間違えたら……

 月影拓也side

「!?」


 拓也は突然首を掴まれたことに恐怖で震える。


「やあやあ、たくちゃん、紗矢ちゃんと楽しそうにしていたね」


 後ろから声が聞こえる。


(ヤバイ、やばい、ヤバい)


 拓也は冷や汗を書き始める。


「真矢ちゃんがお兄ちゃん遅刻した時点で(チェーンソーで切り裂こうかしら)とか言ってたよ」


 紗矢が話しに入る。


「……ちなみにもし、今日学校に来なかったら?」


 拓也は恐る恐る聞く。


「我が家の蔵に確か日本刀があるから刀の錆びにする予定で考えていたよ」

(確実に真矢ちゃんに僕はやられるやつやな)


 真矢は笑顔で悪びれる様子もなく答える。


「さあてと、たくちゃん」

「!?」


 真矢は拓也の後ろにも拘わらず殺意と首の掴んでいる手の力が強まり始める。

 

「言い残すことはあるかな?」

「真矢ちゃん、ストップ!!」

「?」


 紗矢が止めに入り真矢は我に帰り拓也の首から手が離れて真正面にたち始める。


 真矢は紗矢と容姿がにている。唯一違うのは綺麗な栗色の髪と性格が感情落差が激しい。


 だが、基本学校では生徒会長であり、紗矢曰くかなりしっかりしてるらしい。


 ちなみに紗矢は生徒会副会長である、


「……ああ、ごめんね。たくちゃん」


 真矢は急にしおらしくなり謝り始める。


「こちらこそ遅刻して申し訳ない」


 拓也も真矢の瞳を見て謝る。


「遅刻の件もそうだし、紗矢ちゃんと楽しく話したり抱きついてるところ見たりしたら我を忘れちゃって」


 真矢から黒い空気感が出始める。


「真矢ちゃん!!」

「ふぇ」


 拓也は頭を真矢の頭をなで初めて抱きしめる。


「次からは気をつけるから許して」

「……うん」


 真矢は顔を赤くして恥ずかしそうに頷いた。






「なるほどね」


 数分間、頭をなでたら真矢は落ちついたので拓也はあったことを話しした。


「真矢ちゃん、ちなみに回りに散らばっているカードを見ていて気にならないの」


 拓也の回りにはダンジョンをクリア出来なかったであろう男子生徒がカードで散らばっている。


「……拓也君、その散らばっている。カードが見えないんだがどこにあるんだ?」


 真矢は不思議そうな表情になる。


(え?見えてない?)


 拓也は驚いた表情を見せる。


『ぐひひ、男子が少し生き残ったのが残念だな』


 突然体育館の放送から声が出始めると同時に空気が変わるのを感じた。


「「え?」」


 真矢と紗矢も空気と何か違和感を感じとる。


「真矢ちゃん、紗矢ちゃん、大丈夫?」


 拓也は声をかける。


「……たくちゃんの言ってたカードが急に見え始めたのと体育館が薄暗くなっている」


 回りの窓の景色が見えなくなるのに真矢は怖い表情を見せる。


(回りもかなりざわついてきているな)


 拓也は回りを見渡す。


(下手したらパニックになるかも知れないが先生方がいるから大丈夫かな)


『グヒヒ、さあてこれからぐぬとカードで対戦してもらう』


 放送から声がまた聞こえる。


『プレイヤーが負けたらカードになる』


「……」


 拓也は真剣に聞く。


『今回は特別サービスで誰か一人でもぐぬを倒せたらクリアでありカード化されたプレイヤーも元に戻るから安心して欲しい』


(聞いている限り負けても他の人が勝てばいいから安心感があるな)


 拓也は安心な表情になる。


『後、戦うために鑑定師がいるから調べてもらって、初期デッキ枚数と初期手札やルールを聞いたりするように』


 放送の説明しているとローブを羽織った人が3人ほど突然現れた。


『さらにぐぬの特別サービスで通常チュートリアルだとカードは支給品だけだが、特別にここにいる全プレイヤー1人ずつカードパックを100パックを支給する』


(お、マジか)


 拓也はきいていて安心感を覚えた。


『ぐひひ、後は制限時間内にぐぬを倒せなかった場合は全員負けになりカード化になるのでよろしく』


(え?)


 拓也は驚いた表情をする。


『ぐひひ、制限時間は体育館の時計で7時間の17時までとする』


「……」


 拓也は怖い表情になる。


『それじゃあ、がんばってくれたまえ』


 校内放送が消えた瞬間壁から古びたドアが出た。




  







 


 


 

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