第8話 体育館に来たらタックルが飛んできました。
月影拓也side
(何とか倒したな)
疲れた表情を見せる。
『カードを入手しました』予備札5
「……」
拓也はカードを確認する。
イノシシ 攻5、防2、速4、生15、コスト3
反撃
対戦相手が2ドローを選択している場合
最初のアタック前にイノシシは攻+5速+5
防御貫通を得る。
(これで終わりか)
拓也は回りの様子を見ると扉があった。
(あのイノシシがボスと考えたらこれで終わりかな)
拓也は扉を開けた。
「……?」
拓也は扉を開けると体育館が見えた。
(さあて一安心かな)
拓也は扉をくぐり体育館に入った。
「……」
拓也は体育館内に入ると生徒はいるがどこか違和感がある空気を感じた。
(あれ?女子の比率が多い気がするのは気のせいかな)
回りを見ると女子が震えたりひそひそと会話が聞こえる。
(誰か知り合いに聞い)
「お兄ちゃん」
「ふぇ!?」
ドンと何かの衝撃を受けて後ろから抱きつかれ拓也はバランスを崩して倒れる。
「……
拓也は抱きついている女子に声をかける。
「ええ、別に良いでしょお兄ちゃん」
長い黒髪の高身長でスタイルが良い、女子が明るく拓也に話をする。
「……紗矢先輩、はやく離れてくれませんか」
拓也は紗矢に声をかける。
「ええ、いやだ」
紗矢はほっぺを膨らませて不機嫌そうな表情で言う。
「紗矢ちゃん、周りの生徒に誤解されますよ」
拓也は紗矢に困った表情で言う。
「学校を遅刻したし、約束破ったから、絶対にお兄ちゃんの言うことは聞かないよ」
拗ねた様子で紗矢は拓也に言う。
(はあ、めんどいことになったな)
拓也は困った表情になる。
「紗矢先輩、年上なのにお兄ちゃんは恥ずかしいのでやめてください」
拓也は不機嫌な声で紗矢に言う。
「家族なんだし妹なんだからお兄ちゃんと呼ぶのは当然でしょ」
紗矢は不機嫌な様子で言う。
「紗矢先輩、学校では家族の話しは、だめって決めていただろ」
拓也も怒り口調で言う。
「別に良いでしょ。お兄ちゃん」
紗矢は気にする様子なく話をする。
「……紗矢ちゃん、どうすれば許してくれる?」
紗矢の目を拓也は見る。
「2人っきりのお出かけか、一緒にお風呂入って欲しいな。お兄ちゃん」
紗矢は無邪気な笑顔でもぞもぞしながら言う。
「前者の2人っきりのお出かけで許して欲しいかな」
拓也は恥ずかしそうな様子で言う。
「嫌だ!!」
「え?」
紗矢に即答で断られた。
「後者の一緒にお風呂に入るのもセットじゃないと嫌だよ。お兄ちゃん」
紗矢は不機嫌そうな声で言う。
(とりあえずOKしかないかな)
拓也は疲れた表情になる。
「紗矢ちゃん、それで良いよ」
「やったー」
紗矢は拓也から離れる。
(忘れたふりすればいい)
「忘れたふりすればいいって考えてるのはわかってるよ。お兄ちゃん」
「!?」
拓也が考えていることを紗矢は言葉にする。
「スマホに言質とって録音しておいたからね」
紗矢は黒い笑みを浮かべて拓也に言う。
(やられた)
「やられたな」
拓也の思っていることを紗矢は言葉にする。
「そういうわけで約束は絶対だよ。お兄ちゃん」
「……はい」
紗矢の作り笑いの笑顔が恐くて素直に拓也は返事をした。
「うん、よろしい」
紗矢は機嫌がよくなり笑顔を見せる。
(これで本題に入れそうかな)
拓也も疲れた表情をみせながら紗矢の機嫌が良くなったのを見てほっとする。
「紗矢先輩、聞きたいことあるんですが?」
拓也は紗矢の目を見る。
「紗矢ちゃんと呼ばないと何も答えないよ」
紗矢は不機嫌な様子になる。
「……紗矢ちゃん、聞きたいことあるんだが」
拓也は声を小さめにして言い直す。
「あたしのスリーサイズを聞きたいのかな?」
紗矢は黒い笑みを浮かべて拓也に言う。
「……紗矢ちゃん、聞きたいの!?」
突然体育館のドアが自然に開き大きく風が吹くようにカードがとんできた。
「……え?」
拓也は恐る恐る飛んできたカードを確認する。
(おい、おい、マジか)
拓也は体育館ドアから散らばってきたカードを確認する。
(全校あわせて生徒が確か360人で先生も含めて400ぐらいに対して100人以上はカード化したのかな)
拓也は怖い表情で周りを見る。
「お、お兄ちゃん?」
紗矢は恐る恐る拓也に声をかける。
「紗矢ちゃんはいつから体育館にいるの?」
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