現実世界に神がやってきてカードバトルを仕掛けてきました。ルールは山札=ライフで相手の山札を0にしたら勝ちのカードバトルで僕の初期の山札は1枚です。

第3話 裏で何かが動きだしているようです。

　？？？side

(私好みでとても良い子を見つけて満足)

　女性が微笑んでいた。

「やけに嬉しそうねレイカちゃん」

「あら、アリアちゃん」

　違う女性が声をかける。

「何か良いことあったの？」

　静かな声でアリアは言う。

「うん、あったよ」

　嬉しそうにレイカは言う。

「何があったのかしら？」

　アリアはレイカの瞳を見る。

「私のコレクションにしたい良い子をみつけたの」

　笑顔でレイカは答える。

「それで屑ナルシスト神がコレクションしようとしている世界に無断で行ってたのね」

　アリアはレイカの頭を軽く手で小突いた。

「ええ、だってもう人間側が負ける出来レースだから、勝手に介入したり何かしても問題はないでしょ」

　レイカは作り笑顔でアリアに言う。

「まあ、確かに出来レースではあるね」

　アリアは無表情で言う。

「アリアちゃんも選り好みの子を見つけて遊んだら」

　レイカは笑顔で言う。

「……あたしは楽がしたいから遠慮するよ」

　アリアは無表情で答える。

「アリアちゃん私のコレクション予定の拓也君は渡さないよ」

　レイカはアリアの瞳を見る。

「あら、ばればれだったかな」

　アリアは笑顔でレイカを見る。

「アリシアちゃんも寝取りプレイや略奪プレイが大好きだからわかるよ」

　レイカはアリアの瞳を見る。

「……たまたま、狙っていた者が一緒だっただけだからね」

　アリアはレイカの視線をそらす。

「おいおい、あいつの邪魔だけはするなよ」

　眼鏡をかけた女性が圧を感じる静かな声で言う。

「あら、口出しするなんて珍しいねナギちゃん」

　レイカはナギを見る。

「……お前の気配が消えた上に人間といきなりスキンシップするのは良くないぞ」

　ナギは無表情でレイカに言う。

「……ナギちゃんも覗き見なんて悪趣味だね」

　レイカはナギの目を見る。

「……上からレイカが何かしないように監視命令はされているからな」

　ナギは不機嫌そうな表情になりレイカを見る。

「ナギちゃん、大丈夫だよそんな心配しなくても」

　レイカは笑顔でナギを見る。

「それにしてもレイカ、初対面の人間に渡して良かったのか？」

　ナギは無表情になりレイカに話をする。

「うん、渡しても問題ないかな」

　レイカは迷いなく笑顔で答える。

「……拓也君を随分とお気に入りのようだな」

　ナギは無言でレイカの瞳を見る。

「うん、凄く好みだね」

　レイカは呆けた笑みで答える。

「何が良かったのかな？」

　ナギは表情をやわらかくしてレイカに聞く。

「それは、彼の中にある芯の強さと心の強さだね」

　レイカは真剣な表情で言う。

「ふむ」

　ナギは真剣な表情になる。

「拓也君の心や生き方を覗いたんだけど」

「ふむ」

「小学校はいじめにあったりしてて不登校な期間があったにも関わらず」

「ふむ」

「中学はサボりや遅刻が多いけど登校してるのよね」

　レイカは笑顔で拓也のことを語る。

「……どこにでもいる感じの子な気がするんだがな」

　ナギは不思議な表情になる。

「表面上はひねくれているんだけど」

「ふむ」

「拓也君の内に秘めてる者が凄いのよ」

　レイカは真剣な表情でナギに語る。

「飽きっぽいレイカがそこまで人間に感心を持つのは珍しいな」

　ナギは驚いた表情を見せる。

「あそこまでの信念や守りたい者が明確な子は珍しいわね」

　レイカは嬉しそうな表情になる。

「判断は任せるが女神の介入は最小限に頼むレイカ」

　ナギはレイカの瞳を見る。

「うん、ありがとうね。ナギちゃん」

　ナギにレイカはお礼をする。

(屑ナルシスト神の出来レースだったら人間側に介入したり紛れ込んでもわからないだろうからな)

　こうして神側も裏側で暗躍が始まっていた。