第7章 日本人はしぶとい

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「アミー!」


 ひとっ子ひとりも、そして野良猫一匹も消去された地上に、あのチハルのいぶかしげな声が響いた。アミが地下に顔を見せなくなったので、心配になって恐る恐る地上に出てきたのだ。そう、地下にネットから切り離されて、つまり、宇宙人傀儡政府の管理監視網から外れた存在が居たのだ。ネット情報においては滅亡したはずだった日本人は、リアルには生存していたのだ。チハル以外にもそういう日本人はけっこう居たらしい。彼らの多くは森の地下に住んでいたという。戦時中、ジャングルの洞窟で生き延びた旧日本兵小野田さんや横井さんの血を引く日本人はしぶとかった。森の豊かな植物の二酸化炭素(CO2)吸収により、チハルたちの吐き出す二酸化炭素(CO2)は、国連の脱・炭素化社会化会議の設置した排出モニタリングにも検出されず、滅亡日本は存続していた。

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