第21話 美少女奴隷の価値は成人男性100人分
「いらっしゃいませ。お客様」
びっくりするほどの肥満体系と似合っていない服装が怪しさを掻き立てる。
この不審者が奴隷商館の店員なのはわかるが、なんでこんなに怪しい見た目をしているのだろうか? と言う疑問ばかりが先行する。
「ささっお客様。奥へとどうぞウチの商品は一流ばかりです見るだけでも肥やしになりますから是非、買って頂ける方が嬉しいですがね」
俺は怪しい奴隷商の後を付いて行く……
立派な革張りのソファーに腰を降ろす。
良い革を使っているのか肌ざわりも良く座り心地もいい。
ソファーの座り心地がいいのはここが商談の場であり、奴隷商にとっての戦場だからだろう。
ソファーやローテーブル茶器や茶葉に至るその全てが取引相手をもてなし威圧するためにある。
「粗茶ですが……」
そう言ってお茶を持って来たのは使用人の少女だった。
白いエプロンの下にはふわりと広がった紺のワンピースを着ている。
エプロンドレスと言う奴なのだろうか?
少女の顔立ちは整っており美少女と言える。
クリクリとした大きな瞳に、薄紅色の唇。髪は長く枝毛の一本もなく、陽光を反射し天使の輪を浮かべている。
そしてなにより目を引いたのは二つの大きな山だった。
美しい鎖骨とデコルテラインから覗く白い胸の谷間は深く、巨乳と言うにはあまりに大きく、爆乳と呼ぶには美しすぎた。
『金髪碧眼。胸は
ナオスは思わず息を忘れ、思い出したかのようにパクパクとコイのように息をしゴクリと生唾を呑んだ。
西瓜つまりスイカ……ップと呼ばれたグラドルが居たことを思い出した。
確か彼女は『I』か『H』だったハズ。
成長期の16歳でそれだけの爆乳……二十代半ばになれば一体全体どれだけの大きさになるのだろうか?
「……」
「お気に召したようですな」
「え゛?」
「彼女のことです。男と言う生き物は胸や尻が好きな生き物ですが、あれだけ大きな胸は尻派の目も釘付けにします」
少女に視線を向ければ奴隷商の言う通り、ワンピースの裾に目が行く。
太くむっちりとした白いふとももが翻る裾からチラりと除き、街灯に群がる
エロい……
「……だろうな」
思わずうんうんと頭を振ると、グレテルの冷ややかな目が背中を刺す。
「「……」」
奴隷商と俺は思わず黙ってしまう。
おっぱい教原理主巨乳派である俺だが、尻や脇、脚と言った部位の魅力も理解できる。
そのため『性のオールラウンダー』の二つ名も持っていた。
しかし、巨乳の魅力には勝てない。
俺にとって巨乳とはお米のようなもので、パンやうどん、そば、ラーメンと言った他の主食も好むが最終的なお米に戻ってくるように巨乳が好きなのだ。
「彼女を購入されますか? 処女ですしお値段は100万ゴールドです」
成人男性100人分か……
この世界には魔術があるおかげで肉体的な男女差は少ない。
しかしそれは魔術が使えることが大前提。
魔術が使えなければ男女の身体はそのまま値段に反映される。
つまり彼女のは何等かの理由で成人男性100人よりも価値があると言う訳だ。
容姿が優れた女。胸がでかい女、下半身が綺麗な女、魔術が使える人間と分けて買えば多分安くなる。
しかし……販売で儲けた金もある余裕で買えるな。
しかし金があることを、それより金を稼ぐだけの能力があることを家に知られたくない。
「彼女はキープしてくれ、とりあえず他の奴隷も見せてくれないか? 労働用の奴隷を頼む」
「かしこまりました」
奴隷商に連れられ廊下を歩く道中前世で見た動画のことを思い出した。
『
最初に難易度の高い要求をして相手に一度断らせ、要求レベルを少しずつ下げながら交渉し、最終的に小さな要求(本命の要求)まで話を持っていくと言うモノだ。
断ったことに罪悪感を覚えさせ、恩を売って本命を通すと言う手法でその他の販売手法と大変相性がいい。
今回の手口だと目玉となる
似たようなものだと『松竹梅の法則』や『
奴隷商に連れられて廊下を歩いていると、館のあちこちに奴隷が居るのが目に見えた。
しかし奴隷であることを示す首輪と、特徴が記された札が下られている。
奴隷として良く教育がしてあるようだ。
なにより人生を諦めたようなぼんやりとした目で、こちらを眺めていないだけ元気があっていい。
どの奴隷も目移りするほどいい奴隷ばかりだ。
見た目の好みも大事だが、それだけじゃなくキチンと離れを管理できる奴隷かしっかり見極めよう。
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