第4話 胸騒ぎの後で


「すみません。…すみません!あの…すみません!」


ある日、表でお客様の声がして見に行くと近くに神宮が居るがそのお客様の声が低くて聞こえていないようだった。


なので僕がその場に行って、

「申し訳ありません。彼女、耳が聞こえづらくて、なので無視してるわけではないので。」とフォローに入ると、僕の声で彼女が何が起きたか理解してお客様に頭を下げた。


たまたまお客様がいい人で事なきを得た。


その後、彼女が僕に謝ってきた。


「さっき本当に聞こえてなくて。ごめんなさい。」と。

僕は、「気にしなくていい。俺いるから大丈夫。」そう頭を撫でると、彼女は泣き始めた。


それに気付いて従業員が一人また一人と集まってきて僕は事務所に彼女を入れた。


「どうした?泣かなくてもいい。」


僕が彼女から話を聞こうとすると、


「こうやって何やっても聞こえなくて迷惑かける。無視してるって思われる。ここの人達はみんな優しいから言わないけど、内心ヒヤヒヤしてるかもしれない。言わないだけかもしれない。だからその、私、邪魔かもしれない。迷惑かもしれない。」

と答えたので僕は少し悩んだが、彼女の目をまっすぐに見て頬を叩いた。悩んだがあえてそうした。


彼女はさすがに驚いていた。


すると、男性社員が彼女の肩を両手で包もうとしたので、

「触るな。」と低い声で言った。

すると

「え?」と男性社員に聞き返された。

だから僕はもう一度、

「來夢に触るな。」と言った。


あまり口を開けないで言ったのもあって來夢は不安げな顔をしていた。


……僕は初めて來夢を人前で抱き締めた。


「二度と言うな。いいか?」

「でも、私、迷惑じゃない?聞こえてないほうが多いじゃん?」

「迷惑なら最初からこの店に入れない。それに來夢はちゃんと自分で考えて話せる。考えて動ける。だから大丈夫。自由にやれ。それと絶対に何があっても、自分を卑下するな。いいか?お前は俺にとって大事なやつなの。邪魔とか迷惑とか絶対ないから。わかった?」


「ありがとう。…ごめんね。」

「言ったよな?俺がお前の耳になるって。」

「うん。ありがとう。」



──────────── 数日後。


來夢が学校に行ってる間、男性社員に聞かれた。


「いつからあいつと?」

「先月。一応、大反対食らったけど親にも挨拶した。」

「そりゃな。高校生だしな。」

「ロリコンとかそういうのとまた違うしなあれだと。」

「そうだな。あいつは大人だ。子供では無い。」

「うん。」


僕と男性社員北田は同期。同じ時期に前オーナーが現役の時に入った。

タイプも似ててよく2人でお客さんとして来てる女子高生神宮を見て『可愛い、可愛い』と話していた。



「先行ったかー。」

「うん。先行った。」

「てかさ、いつから手話なんて始めたのよ。」

「…ドラマみてから。去年やってた夜のドラマで綺麗な女優さんが難聴で。こんな人と話せたらって言う所から興味出てね。」

「すげーよな。」

「なんも凄くない。タイミングよくあいつと知り合っただけ。」


「……やっぱもうやったの?どうよ?今の女子高生は。いいよなー。『女子高生』。響きがいい。」


「お前みたいな変態と一緒にすんじゃねー。」

「でも、もうやってんだろ?」


「まだ。」

「え?なんで??」

「順番があんだろ。順番が。…でもどうせならあいつから欲しがらせた方が面白いからさ。俺からしたってつまんない。」

「お前本当に昔から受け身だよな。」

「襲われた方が楽しいから、」


「でもしかし、可愛いよな。」

「うん。可愛い。マジで可愛い。俺だけタメ口だしな。」

「あれ初日からだよな。お前にだけタメ口だったの、」

「そう。でもまたそれが可愛くてな」

「目に入れてもいたくないってやつだな。」

「本当にそれ…。ため息出るくらい可愛い。」




────────────数時間後。


來夢から連絡が来た。


『学校で話してから帰る。だから遅くなる。ごめんね。』と。

『おやすみするか?』


と送ると、


『そうする。ごめん。。』と来た。


僕はずっと胸騒ぎがしていた。



──────18時頃。僕は店を出て來夢の学校の方へ向かうと、來夢らしき女の子が歩いていた。信号のある交差点に差し掛かった時、青信号で歩いていると遠くからものすごいスピードで車が走ってきていた。僕は走って來夢の元へ…。


來夢の手を引いて走った。

すると猛スピードのまま僕らのすぐ後ろを車が走り去っていった。


僕は無言で來夢を抱き寄せた。


「ありがとう。助けてくれて」

「俺はストーカーだから。正義のストーカー。」

「いつから見てたの?」

「この交差点にお前が入ろうとした時。」


「なんでここに来たの?」

「お前か連絡もらった時から胸騒ぎが止まらなかった。だから何も無ければいいと思って来た。」


そう言うと來夢は僕にキスした。


來夢の全てが愛しい。髪の一本まで全てが。


僕は初めて來夢と舌を絡めた。

柔らかくて長くて…止まらなくなりそうだった。


そして來夢の顎を掴んで首に噛み付いた。

そのままスカートの中を確認すると、しっかり反応していた。


「來夢、1人でしてたりする?」

「うん」

「イけるのか?」

「うん」

「過去には?」

「ない」


結局僕らは何もしてなかった。

ここまででいつも終わり。

着衣のままキスして果てさせて終わり。


でも…まだ。まだいいかな。

極限まで育てたい…。



「いいんだよ?しても。」

來夢はいつもそう言う。でも僕はしない選択をする。

「まだしない。」

「稜太…」

「うん?」

「我慢してるの知ってる?」

「させてるからね。」

「意地悪してるの?」

「そう。」

「楽しい?」


僕はもう一度首筋にキスして舌を這わせた。


すると、來夢は体を震わせて甘い声をあげた。


「稜太…お願い…」


──────僕は近くの公園に連れて行って遊具の影で服の上から直接体に触れた。


…太ももを直接手のひらで撫でるとまた体

を震わせた。

僕はそのまま直接指を入れて奥を刺激すると、

彼女は僕にしがみついて声を上げて果てた。


その手をて目の前で舐めるとまさかで來夢まで…。



───────────────そのまま深くキスした。









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