第2話 俺が守るから
彼女が働き初めて数週間が経った。
しっかり声を出して話せるので、周りが勘違いするかなと思ったが、彼女は自らの事をしっかり伝えて理解してもらえるように動いていた。
それもあって入って3日ほどで皆と打ち解けた。
髪の色も『可愛いね』と言われるほど周りに馴染んでいた。
でも不安が一つ。
うちの男性正社員。僕自身の中で嫉妬心が生まれていた。これが自分でも良くない方向に行くのが目に見えてわかった。
だから、彼女が入って一ヶ月が経つ頃、閉店後に彼女にある事を話そうと決心した。
その日の休憩時間。
神宮が外に出て昼食を買いに行こうとした時後ろから車が来ていたが彼女は全く気付いていなくてそのタイミングで前からも車が来てこのまま行くと轢かれると思い彼女の元へ走った。
そして脇に寄せて抱き寄せた。
すると彼女は驚いていたが、直後車が通り過ぎると「ありがとう」と僕に言った。
僕は…彼女に口付けた。
1秒か2秒程して煩く心臓を鳴らしながら唇を離すと、彼女から重ねてきた。
「いいの?」
そう耳元で聞くと、僕の首に両腕を乗せると
「うん」と答えた。
そしてもう一度僕から唇を重ねた。
────────────。
その後、2人で買い物に行って帰ってくる途中で彼女に手話で聞いた。
「来月、誕生日だよね?予定埋まってる?」と。
すると、彼女は「空いてる」と声で答えた。
だから僕はそのまま声で話した。
「デートしよう。誕生日に。泊まってもいい。泊まらなくてもいい。Hはしないって約束するから。」
すると彼女は声を出して笑った。
「なにそれ。別にしてもいいよ。泊まってもいいし。」
僕はそれを聞いてもう一度彼女を抱き寄せた。
そして耳元で言った。
「聞こえるか?」
「うん。」
「結婚しよ。早いかもだけど。俺がお前守るから。」
僕がそう言うと、
「いいよ。稜太なら。」
と答えた。
「ダメだ……離したくない。ずっとこうしてたい。」
僕が彼女から離れられなくてそう言うと、
「お店戻ろう?お腹減った」と彼女に言われ、僕は慌てて、
「そうだった!ごめん!」と彼女の手を引くと、
彼女は笑っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます