第13話
やっと、部屋に来れたが、椅子に座って考え事より、ベッドで寝っ転がってゲームしながら考えた方がまとまると思うから、カバンは机の横に置いて、携帯ゲーム片手に寝っ転がってゲームのスイッチオン。
んで、小波が言った「プレゼントを探す」っていったい何の事か、普通に考えたら誕生日かクリスマスプレゼントしかないから、絶対波瑠の誕生日が近いってことだよな。
俺は半分はプレゼントの事、もう半分はゲームの攻略法を考えて進めた。
ってことは、さっき他にも小波は聞いて、って待て、何だ、この敵!?
数分も経っていないが、ゲーム画面に今まで見た事のない黄金に輝いた敵が目の前に出てきた。
はいはい、まさか考え事してたら、いつのまにかこいつがいたと、よし、考え事はちょっとタイ~ム。
そうして、そいつを倒した後、かなり前に受けていた依頼だったらしく、依頼人のもとまで行くと次の依頼が発生した。
…今度は依頼を忘れないため、そのまま考え事を一旦止めてやっていると自室の扉を叩く音が聞こえた。
「兄ちゃん、夕飯出来るから降りてきて。」
あっれ~?もうそんな時間?さっき帰って来たはずなんだが…。
時計を見ると七時を回っており、帰って来たのが五時半だったから、一時間半も夢中でゲームやってたのか、やっべ~結局プレゼントってなんの事なんだ。
セーブをしてゲームをオフにした後、ふと思い出した。
待てよ。小波と話してた時に確か『本人に聞くか陽葵に聞けば』と言ってたな。
もし仮に、波瑠の誕生日で聞いたとして、ガッカリされるのも嫌だし、聞くなら…今か!
「陽葵さ~ん、いいものやるから、ちょっっと部屋に来てくれ。」
ドアを開けて急いで呼んでみると陽葵の階段を途中まで下りる足音が聞こえたが、ピタッと止み、また上がってくる音が聞こえ俺の部屋の前まで来た。
「兄ちゃん、いいものって何!?」
「まぁまぁ、落ち着きたまえ陽葵君。まずは入ってからだ。」
陽葵を部屋の中に入れたが、陽葵はまだワクワクしていた。
「で、で、兄ちゃん、早く早く~。」
「えぇ、っとな、陽葵。言いにくいんだが、本当はちょっと話を聞いてほしくて、呼んだだけだから、特にそういうのは用意してないんだ。ごめん。」
そう言った瞬間、陽葵は顔を素に戻らせ後ろを向いてドアの方へと向かっていった。
「うぉい、ちょっと待て。」
肩を掴んでどうにか止めることが出来たが、それでも強引に扉の方に向かおうとする陽葵であった。
「すぐ終わるから。」
ため息をつきつつも、こっちを向いてくれて話を来てくれるようだった。
「で、何、早くして。」
「な、なぁ、陽葵は、波瑠の誕生はいつなのか知ってるのか?」
「え、兄ちゃんは知らないの?」
「知ってるんだな。だったら、教えてくれ。」
「それは…」
俺の部屋のカレンダーを取って、指を差して陽葵は言った。
「四月二十五日だよ。だから、もう来週だよ。」
まじか、今日は十八日だからすぐじゃん。すぐ過ぎる。
「じゃあ、私はもうお腹すいたし下に行くよ、兄ちゃん。」
「待って、もう一つ、もう一つだけお願いがあるんだ。」
俺はすぐさま座り込み、土下座の体制をとった。
「プレゼントを一緒に選んで下さい!お願いしまーすッ!!」
部屋は俺が土下座した瞬間、静けさで包まれたが陽葵は腕を組みながら再度溜息をした。
「あぁ、兄ちゃんって、私の誕生日の時も、プレゼント何がいいか分からないから聞いてきたもんね。」
それだけは、言い訳出来ねぇ~。
「そんな兄ちゃんが、波瑠ちゃんのプレゼント決め、一人で出来るわけないか。」
「頼りにしてます。陽葵様。」
「全くしょうがないなぁ~。」
陽葵は頬を少しかいて、
「手伝うけど、買いに行くのはいつ?」
と渋々だが助けてくれるらしい。
「ありがとうございます。陽葵様。」
「はいはい、で?いつにする?」
「いつかぁ…、明日か明後日の放課後でいいか?」
「私は明後日、水曜日の放課後かな。」
「じゃあ、決まりだな。あと、どこで買う…」
場所を決めようとした所、扉を叩く音が聞こえ、扉が開くと波瑠が入って来た。
「二人ともご飯出来たよ、って、拓磨君だけなんで正座してるの?」
そういえば、このままの体制だった。
「いや、あの、」
「兄ちゃんが家に帰って来たのに、明日の予習もせずにゲームずーっとやってたらしいから、私も予習やってるのにって注意してたからこんな格好なんだ。」
陽葵が俺がゲームやっていたところなんて見ていなかったはずだが、ナイスフォローだ、陽葵。
「そうなの?拓磨君。」
「あ、あぁ、そうだなぁ。」
俺は波瑠の方を見ながら立ち上がったが、波瑠は
「陽葵ちゃんの言う通り、息抜きでゲームやるのはいいけど、やり過ぎて勉強疎かにしちゃ駄目だよ。」
「…はい。この後やります。」
そう言って、俺達は夕食を食べるため下に降り、夕食を食べ終わった後、自室に戻って俺は二人に言われた通り予習とそういえば英語のプリント課題が出ていたことに英語の教科書を見て気づき早速取り掛かった。
机に向かって課題をやっていたところに、誰かが部屋に入って来て、プリントを一旦机の隅に置いた。
「兄ちゃん、さっきの続きなんだけど、どこで買い物するの?」
「陽葵、そのことを聞きに来たのか。」
「当たり前でしょ。さっきは波瑠ちゃんも急に来ちゃったんだから。」
「まぁ、そうだよな。」
あそこでは話しづらいよな。
あと、買い物の場所なんだが、俺の中でとある場所が思い付いていた。
「それなんだが、夕飯を食べている時に俺はある程度考えて、家の近場と高校近場のバス停から行く、ショッピングタウンだったらどうだ?」
「あぁ~、土日に家族で何回も行ったことがある、あそこねぇ~。あそこだったら色々とあるから、良いと思うよ。」
「だろう。」
その後もどこに集合するとかどういうプレゼントにするとか話し合ったが、何があるのか当日に行ってみないと分からず、その日の話はそこまでとなった。
そういえば、課題のことをすっかり忘れて、次の日先生に怒られるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます