第12話
―小波と別れた後―
俺と進は学校から徒歩十分の所にある、今の時間帯のせいかさほど賑わっていないがいろんな個人でやってる商業施設が入ってる商店街に行き、本屋やスポーツ用品店、ゲーム屋を巡り、言われた通り暇を潰していた。
だが、全然来ない。
「一時間以上立ってるのに、もしかして、あんなに書いてやったのに道に迷ったのか。」
「まぁまぁ、もう少し待って…、おっ!」
そんなことを商店街の端に来て話してるとデザート系キッチンカーが来てて、進が
「調査だ。」
とかなんとか言って、買いに行った。
美味しそうだし、俺もカップアイスを買い、近くのベンチに座って食べようとした時、
「あっ、二人ともずるい。私も買いたいんだけど。」
ようやく、小波が来た。
「やっと来たか。小波。」
「さはなむ、おほいはないは。(小波、遅いじゃないか。)」
進はクレープを食べながらしゃべっていた。
「進、何言ってるか分からないぞ。それより、どこで売ってるの。」
俺達は揃って指を差して買った場所を教えたが、それよりも波瑠の悩んでいた方を早く教えてほしい。
そして、小波もカップアイスを買って、座ったらようやっとなんで波瑠が元気なかったのか説明してくれた。
「そうだったのか。お母さんのことで悩んでいたのか。」
「まぁ、相談はしづらいだろうけど。やっぱり俺がいった通り、ちょっと待ってれば話してくれるって言っただろう。」
「うぐ。」
進に言われたくなかったがな。
てか、クレープ食べ終わったんかい。
「まぁ、拓磨は昔からそういう超お節介な所があるもんな。」
「ぐぬぬぬ。」
超お節介で悪かったな。と言いたかったが、小波がスプーンを口に入れながら、
「そのおかげで私は…」
と何か言いかけていた。
「うん?なんだ?」
「てっ、そ、それよりも、これから私が言う事の方がもっと心配した方が良いぞ。」
今度はスプーンを俺の方に向けて言ってきたが、まだなんかあるのか、終わりじゃないのかよ。
「高本さんのプレゼントを探した方が良いぞ。」
「なんでだ?」
「それは、本人に聞くか陽葵ちゃんに聞いてみたら。しかし、私も探さないと。」
「うん???」
「あぁー。俺は、もう分かったぞ。」
進が分かったなら、話が早い。
「進、だったら教えてくれよ。」
「ハァ?もう小波は答えを言ってるようなもんだぞ。少しは自分で考えろよ。」
小波が答えを言ってる…、駄目ださっぱりわからん。
俺が考えていると小波は立ち上がった。
「じゃあ、私も食べ終わって、今日はもう疲れたから帰るね。」
お前も食べ終わったんかい。
そう言って小波は帰ってしまい、俺と進だけになっていた。
俺のアイスは真剣に話を聞いてたせいでアイスも溶けて、液体になっており、たったか飲んで進と帰ることにした。
帰り道でも進に聞こうとしたが、結局教えてもらえず、途中で進と別れ、考えながら帰るといつの間にか家に着いていた。
「ただいま。」
「お帰り、兄ちゃん。」
「お帰りなさい、拓磨君。」
家の玄関の扉を開けてすぐに二人の返事が返ってきたが、二人はリビングにいるな。
話しの邪魔しちゃ悪いし、このまま自分の部屋に戻るか。
っと思っている所に波瑠がリビングのドアから少し顔を出し、
「拓磨君。ちょっといいかな。」
と言ってきたが、なんだ?
「波瑠、どうした。」
「ちょっと今朝の事で、その…。」
波瑠はドアの影から、何かためらうように話しているが、それか。
「あぁ、それの事なら小波からさっき聞いたぞ。夢の事で落ち込んでるって。」
「え、そうなの。…でも、これだけは言わせて。」
そう言って今度は、体を全部出して、頭を深く下げていた。
「拓磨君、ごめんね。心配かけて。」
かなり頭を下げているが、
「そこまでの程でもないだろ。ほら、頭上げろよ。」
「えっ、でも…」
「でも、じゃねぇよ。それになぁ…」
波瑠から頭を下げられたが、今思えば俺の方からも言いわなくちゃいけなかった。
「俺も心配し過ぎて、他の奴らに言ったから、ちょっと大事になったし、ごめんな。」
「うんん、拓磨君は悪くないよ。心配してくれたのすっごくうれしかったよ。」
「まぁ、そうか?じゃあこの件は、お相子ってことで。」
俺達は、笑っていたが、そこに
「ふっふっふ、仲良し仲良し、あっつあつ。」
なんか変なことを口ずさんでる陽葵が波瑠の後ろから登場した。
「何を言ってるんだ。陽葵。そんなに熱くないぞ。ここ。」
「そういう意味で言ってるんじゃない。」
「陽葵ちゃん、熱いなら少し薄着になった方がいいよ。」
「波瑠ちゃんもかぁ~。」
そんな事を日葵に向かって言ってる波瑠だが、横からよく見えるが少しほっぺたが赤くなってるぞ。まぁ、四月だし、少しは熱い、か?
「それより、話も終わったし、俺は部屋に行くからな。」
結果的には、波瑠も落ち込んでたことが解決したのはいいが、逆に俺はまだ考え事の途中だし、部屋で落ち着いて考えたかったから、俺は階段を上がっていった。
「拓磨君、また、あとでね。」
「兄ちゃん、夕ご飯頃になったら、下降りてきてね。」
二人に言われ、「へいへい。」と言って、自分の部屋に行った。
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