第13話 海上での戦いです。
「ところで、ニーナ・リタはそんな布切れ一枚で大丈夫なのか?」
ルーベが改めて、俺のタンクトップに短パン、サンダル履きという姿に心配そうに声をかける。
「そう言うルーベも一緒じゃないか」
そう。彼も筋肉を見せつけるため……ではないだろうが、軽装だった。俺との違いは靴かな。しっかりとした革の靴を履いている。
「俺はこんな筋肉をしているけど、
「俺の
女神様との契約のとき、こんなふざけた名前にしたことを激しく後悔した。だって恥ずかしいじゃん。
「お……おう。なんか聞いたことのない
だよね、困惑するよね。すまん、ルーベ。
「打撃だ。自分の能力を過信しているわけではないが、打撃が当たりさえすれば巨大なイカの
「ほう、言うねぇ。なら見せてもらおうか、最強の戦士と名高いマッチョ・ニーナ・リタ・Eの力をな!」
見せてもらおうかって言っても、あんだけ遠く海の向こうにいる敵をどうやって……と思ったら、ルーベが目の前の海に向かって
「よし、この道を走って
え、もう? 打ち合わせもなしに?
それだけ俺を信頼してくれているってことなのかな?
魔法を出しながら海を凍らせて走るルーベに、俺も続いた。
それを俺がパンチ一閃。津波をかき消す。そこにルーベの
「やるじゃないか、ニーナ・リタ!」
「そっちの
俺たちは初めての共闘とは思えないくらい、息が合っていた。同じマッチョ同士だからかな、なんて思ったり。
すると、今度は
で、パンチを打つたびに足が一本一本
「……マジか。ここまでとは!」
とか言ってくる。ギルド
そうしてついに海の真ん中で荒れ狂う
はい。今回もいつもと同じ。ちょっと場所が遠かったからルーベの力を借りたけど、俺たちの敵ではありませんでした!
って正直、ちょっとだけナメてました。
そしたら、このタコ、じゃなかったイカ。口から真っ黒いスミを噴射しやがった。やばい! 食らったらどうなるのかわかんないけど、避けられない! そう思ったときだった。
目の前でスミが凍り付いて動かなくなった。背後にいたルーベが、
「サンキュー、ルーベ!」
「おう! いっちまえ、ニーナ・リタ!」
俺はその固まったスミを足場にして飛び上がり、
バチン! という気持ちの良い音がして、その巨体が黒い霧となって消滅した。
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