第2話 正面突破します。
あ、これは冒険者ギルドの受付で聞いた話ね。
んで、最近その巨人族どもが行商人を襲うことが多くなったということで、そいつらの討伐と城の奪還の依頼が出されたんだ。報酬もなかなかの額だったんでとりあえず引き受けてみたんだが、さっきみたいな向こう見ずな冒険者も結構いるみたいだ。ま、もう助けたりしないけどな。笑われるから。
城に着くまでに何体かの
そこにはこれまでよりもはるかにデカい
「お前だな、ここを支配しているのは!」
俺がいうと、
「お前、人間のくせにどうやってこの城に入り込んだ?」
さすがボスは
「ちゃんと正面突破してきたぞ」
「ふむ、そこには腕っぷしのいい門番がいたはずだが……ああ、なるほど小さいから気づかれないように中に入ってきたということか。その装備から合点がいったわ」
……どうやら俺の服装を見てそう判断したらしい。まあ、確かにタンクトップに短パン姿、おまけにサンダルを履いているから
だがな、残念だった。これは俺が俺に課した「
「おまけに武器すら持たずに……なんだ、俺様に交渉でもしにきたのか?」
「ん、まあそんなところだ」
「人間如きが巨人族と交渉するだと? はっはっは、おこがましいわ」
ドン! とボスは手に持っていた棍棒を床に叩きつける。床がひび割れて、破片が舞い飛ぶ。おまけに風圧で俺の服もバタバタとなびく。
――あっ、城がぶっ壊れるからやめろ!
そんなことを思ったけど、俺は動じない。その姿に
「どうして行商人を襲う? 巨人族には手出ししてないはずだ」
「俺たちの縄張りに勝手に入ってきたんだ、侵入者は殺す。それだけだ」
やべ。なんか話が通じそうな相手じゃないかも。
「もともとはお前たちも人間の縄張りに勝手に入ってきたんじゃないか。お城を奪っておいて、よくもまあそんなことを……」
「うるさい!」
再び
仕方なく、俺はグーパンチで棍棒を迎え撃つ。
グシャァッ!
振り下ろされた棍棒は、俺の拳がぶつかったところを中心に粉々に砕け散った。
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