第19話 転生徒会の日常
頭脳
死を呼ぶ《魔王》属性の、
荒ぶる《アマゾネス》属性の、赤髪ヤンギャル。
陰キャ、もとい《亡者》属性の、白骨髪に腐った白目な俺。
そして――。
聖剣使いの《勇者》属性。
青髪碧眼青マント美少女(おでこに《勇》の紋章入り)、
まるで異世界から転生してきたような
俺たちのことを人はこう呼ぶ。
転生徒、と。
かくかくしかじか、いまやフルメンバーたる我ら転生徒会である。
後に伝説となる(かもしれない)、第1期生パーティーの結成。
さもありなんと言うべきか、そろった顔ぶれはいずれも、やっかいそうな異世界キャラ属性持ちの転生徒ばかり。
そんな俺たち転生徒会の活動は、いわく――。
『転生徒の、転生徒による、転生徒のための
略して、転転々ガバ!
……さて、その本拠地こそがここ、我らが転生徒会室である。
なーんて言えば聞こえはいいが、その実、もともと部室棟の
お世辞にも広いとは形容しかねる空間に、長机とひとそろいのパイプ椅子、申し訳程度のホワイトボードなどが雑然と置かれてはいるが。
活動拠点がこの体たらくでは、世間における転生徒の立ち位置なんぞ推して知るべし。
「品行方正で創造性に満ちた健全なる各種活動を通し、転生徒に対する世の偏見を
前途は実に多難だと考えて間違いなかろう。
まあそのあたり、顧問として悩みは多いとおぼしきゴブリン属性、
かたや、おっとりはんなり天然の気づかいで、魔界のすべてを茶碗にぶち込み泡だてたかのような謎のしろものを――危険なお抹茶を
そしてそう、自らを勇者と名乗る
あと、メンバーに陰キャとしか認識されない亡者属性、
何の因果かこうして集められた俺たち転生徒会だが、集まったからには何かしないと格好がつかんこともあり。
まずは当面の活動として、
――たとえば、備品の
「ちょっ⁉ 誰でケスか、こんなデタラメな
「あれまあ、ほんまやねえ。
「あ、あー、おおかた体育教師か武道部の連中だかが書いたんじゃん? あーしの知ったこっちゃねえが、そんなに困ってんなら武具の大量購入を検討してやってもいいんじゃねえか……」
「いますぐこの武芸脳キンの頭を聖剣でかち割ってやりなさいでケス、さあ、
「よしきた! いっくよん、聖なる
「あーん? やんのか、テメー! 今度こそ、あーしが勝つ。ダリャッ!」
――またあるときは、不要書類の整理。
「ッケケ⁉ 誰でケスか、まだ未処理の書類を使ってこんなものを作ったのは?」
「あれまあ、ほんまやわあ。
「あ、あー、おおかた図工の教師か折り紙クラブの連中だかが作ったんじゃん? あーしの知ったこっちゃねえが、どうせなら本物の武具の大量購入を検討してやってもいいんじゃねえか……」
「図工も折り紙クラブも高校にはないでケス。いいからいますぐこの小学生武者クラブの脳天を聖剣で叩き割ってやりなさいでケス、さあ、
「ホイきた! いっくよん、聖なる
「あーん? 上等だゴルァッ! 今度の今度こそ、あーしが勝つ。ダリャッ!」
――そしてまたあるときは、中庭の草むしり。
「ッケケケ⁉ 誰でケスか、むしった雑草で許可もなく中庭にあずま屋を建てたのは?」
「あれまあ、ほんまやわあ」
「ちょっ、それはホントにあーしじゃねーぞ‼」
「ソラきた! いっくよん、聖なる
「うふふ、はーい、犯人はうちどしたあ。さあさ、ええ具合のあずま屋やし、ここに座ってみんなでお茶にしましょ」
「っ⁉ も、
ふざけんなよおま――グガゴボゲベブシュッ⁉
かくして俺たち転生徒会の命がけの青春は、いよいよ盛大に幕を開ける。……のかどうかはまだこれからの話です!
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