第13話 亡者の食卓~その3
「俺たちの日々は、そう――。
自宅に持ち帰った転生徒会報告書を清書し終え、テーブルから顔をあげる。
キッチンでは、本日夕食当番のわが妹、
短いツインテールをフリフリ、鼻歌まじりに鍋に向かう中1女子の後ろ姿。
将来はきっと、いいお嫁さんになるだろう。
いや、可愛い妹をそうやすやすとそこいらの男に渡すつもりは毛頭ないがな。
フフフ、兄の愛はかぎりないのだ、妹よ。
守りたい小さなその背中に、俺は声をかけた。
「今日のメニューは何かね? いやしさんや」
「よくぞ聞いてくれた、はじめさんや。本日の主食は、いやし特製納豆パスタじゃよ。いまちょうど麺をゆでておるところじゃ。これから絶妙なゆで加減のアルデンテに仕上げ、素早く湯を切り、鍋の余熱でバター醤油とさっとからめて、最後にたっぷりの納豆・オクラ・あらかじめ
「おお、いやしさんや、それはたのしみじゃのう。ただでさえうまい納豆を、お洒落なパスタでいただけるとは、何ともハイカラなこと。やはり長生きはしてみるもんじゃのう。ありがたやありがたや」
「へへへ、ほっぺたが落ちる覚悟をしておかれるがよかろうぞ。……ねえ、ちょっとそれ見てもいい?」
湯気のたちのぼる狭いキッチンからダイニングテーブルの上にヨッと腕を伸ばし、いやしが転生徒会報告書を手に取った。
鼻歌を続けながら、文面に目を通していく。
「わあ! またも転生徒会に新メンバー加入⁉ 武芸の神童にして荒ぶる
「ふう……、まあ、いろいろあってな。夜ふけの橋の上で、聖剣使いの勇者属性少女と
あらためて言葉にすると、俺の日常がいかにシュールなものになりつつあるかが骨身にしみる。
このままでは、いつか完全に引き返せなくなるだろう。
マジで誰か助けてほしい。
「あはは……、それは何というか、わりとハードボイルドな青春をお過ごしのようで。でもやっぱりさ、――たのしそうだね、お兄ちゃん!」
妹のすなおな笑顔に、どうにもすなおに笑い返せない気がする俺、
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