第14話 激励!! 転生徒会
俺たちは……、クッソ怒られた。
「バッカもぉぉぉんっ!」
決闘クエストの夜から幾日かたち、いまやフルメンバーたる我ら転生徒会は、威厳ある学園長室にそろって呼びだされ、こわもてな学園長から大目玉をくらっているところである。
ずんぐりむっくりがっちりした体格で、いかにも腕っぷしが強く頑固そうな中年オヤジ。学園の長というより、大工の
ハゲあがった頭頂部と対をなすがごとく、四角いあごにはモッサリとたくわえられた
「この、バッカもぉぉぉんっ! 転生徒どうしが
お怒りは、まあごもっともではある。
転生徒会の全員が決闘に立ち会ったわけではないとはいえ、それが言い逃れの材料にはなりそうもない雰囲気。
生徒どうし、ましてや転生徒どうしの格闘戦を学園がよしとするはずもなく、おまけに学園敷地内の
横一列に立たされ、弁解ならぬ苦境に追い込まれた我ら転生会パーティー。
いちおう教師でもある
いや、鼻と耳と唇はもともと緑肌だが……。ああ、ゴブリン属性の転生徒。
こんな状況で臆面もなく発言できる勇気の持ち主といえば、それはそう、勇者属性の
「アッハハ、ボクらは転生徒として真っ当に行動したまでじゃないですか。現にこうして、
説教されるときくらいマントははずして欲しい……、と俺
「その転生徒会ってのが、ところかまわず
くたびれたチョッキの胸ポケットから紙片を引っぱりだし、
『 転生徒会に選ばれし諸君へ
君たちの
「……っ⁉ ったく、親が親なら子も子なり、だわい」
苦り切った面持ちで、なおも続ける
「ともかく。いいかね、ただでさえ君たち転生徒に対する世間の風当たりは思わしくないんだ。うるさいことを言ってくるPTAや保護者の連中だっている。『うちの大事な子供を、転生徒なんていう異世界キャラ属性の変わり者と――皆と同じように普通にしていることすらできない不快な社会不適合者と、一緒に育てて頂きたくない』とか何とかな。ワシら管理者側としても、こう騒動を起こされたんじゃあ……」
「――先生もそう思っているんですか?」
「んん?」
「
2人の視線が正面からぶつかり、緊張が高まる。
無言のにらみ合い。
………………。
…………。
……。
先に音をあげたのは、ため息まじりの男の声だ。
「……はあ。ったく、何にせよ反省だけはしてもらわんとな。だいたい、決闘の現場には調理師主任の
「アッハハ。フーカちゃんなら、あの夜、ボクと
「あの人は、あーしの師匠だぜっ」
「……っ⁉ ああ、もういい! 今日はここまでだ。二度とこんなことしてはいかんぞ。それから、君、
「は、ハイ!」
「何だね、君のその腐ったような目は。気合が足りんのじゃないか? もっと年ごろの男らしくイキイキしたらどうだ。陰キャ属性にもほどがあるぞ」
……。
おい、いま俺の横で笑ったお前ら、あとでゆっくり話そうじゃないか。
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