第3話
キャバクラのシステムを皆さんはご存知なのだろうか。
簡単にいうと、席に座るとかかるチャージ料金、あとは注文した飲み物代金が都度発生するし、女の子に飲んでもらうとそれも追加料金だ。
お客さんの分は飲み放題プランもあるが、横に女の子が座る以上は何も飲ませないなんて基本はできない。なぜなら女の子だってお金のために頑張るし、ドリンクをくれない客にどれだけ優しくできるかなんで少し想像をすれば分かるだろう。
正直に言えば夜の世界では、シャンパンが仕入れ原価の10倍の値付けで販売されるなど馬鹿すぎる世界でどうやっても普通のサラリーマンがいていいものではない。
それだけは絶対に間違いない。
もし僕の後輩がキャバクラにハマりそうならすぐにでも止めるだろう。
そういう世界に僕はハマってしまっているのだから。
そんなことを考えながら、みはるさんと出勤前に食べに行くお店の予約を進めている。
彼女は毎回センスのいいチョイスをしてくれる。
僕がお金に余裕がないことを思ってなのか、いつも安いのに美味しくておしゃれなお店を希望してくれる。
もしかしたら、その分お店で使えというメッセージかもしれないが。
予約を完了し、みはるさんにメッセージを送る。
〈こんにちは!
みはるさんが行きたいって教えてくれたお店予約完了したよ。
お店の前に18時集合でお願いします!
久しぶりにみはるさんに会えるのを楽しみにしてるよ。
今日もこのあとお仕事がんばってね!〉
以前は割と早めに返信があったが、遊びに行くペースが月1程度の細客と分かった時点で営業メッセージも減らしたのかもしれない。
でも別にそこは気にしていない。
実らない想いだと思っていればこんなことなんでもない。
そんな決意をした直後に
〈のぞむさんおはよ!
もう予約してくれたんだね、ありがとうね!
私もずっと会えてなかったから、今週末会えるのすごい楽しみだよ!
今日もこれからシャワー浴びて出勤します。
ありがと。〉
こんな内容がすぐに帰ってきた。
今日はこのまま気持ちよく寝れそうだ。
おやすみ。
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