37話 チャンチャン(終わりの音です)

 お父さんが死んでから暫くの間、皆は塞ぎ込んでいたんだ。

 当然だよね、私達にとってお父さんは全てだったから。

 兄妹達の中では、お父さんに会う為って自殺しようとした子もいるんだよ。

 

 私?

 ふふ、私も正直死のうかな〜って思ってたんだけど、家族を置いていけないからなんとか思い止まったよ。

 

 でもそれからも酷い事があってね。

 私達を誰が引き取るんだって話になったんだけど、いきなり10人も引き取れる人はいなくて、それならと私達を引き離そうとしたんだよ。

 許せないよね。

 お父さんがいなくなったのに、兄妹達とも会えなくさせられようとしたんだよ。

 だから私達は抵抗したんだ。

 すると私達を引き取ろうとした大人達は簡単に諦めたんだ。

 私達を引き取らず書類上だけの関係になったの。

 長女の私は、まだ高校生だからどうしても保護者と言う人が必要だったの。

 とは言っても本当に書類上だけの関係で、家もお父さんと一緒に暮らしてた場所をそのままにしたんだ。

 

 それかは穏やかに暮らしてきたんだけど、一つ問題が起きたんだ。

 金銭面の問題だよ。

 書類上の関係だけにした以上、金は自分達でどうにかしろってなったんだ。

 でもね、この問題は直ぐに解決したよ。

 

 メイちゃんが、株で大成功したの!

 すごいよね!

 末っ子で、まだ小学生なのに私達の誰よりも頭いいなんて、本当に天才だよ!

 メイちゃん言ってたよ、「お金を稼ぐなんて簡単、でもパパに止められてた」ってね。

 なんでって思ったけど、理由を聞いたら納得しちゃった。

 お父さんは、メイちゃんに子供らしいことをさせたかったんだね。

 勉強して、友達を作って、いっぱい遊んで、毎日を充実させたかった。

 お金の事情に巻き込みたくなかったってね。


 お父さんの気持ちは分かるけど、メイちゃんすごい後悔してたよ。

 私がお金を稼いでたらこんな事にならなかったって。

 もう自重しないって。


 それからは凄かったよ。

 メイちゃんが株をやって、そのお金を元に色々な商売ができたんだ。

 まだ子供だから基本的にネットとかの商売だけど。

 それでね、お金には困らなくなったの。

 

 

 お父さんがいなくなって半年ぐらいかな。 

 大きな出来事が世界で起きたの。


 突然世界に、化け物達が現れ出したの。

 その化け物は、人間達を襲い建物を壊し世界を混乱させた。

 人類はその化け物に抵抗したんだけど、銃やミサイルとかが全く効かなかったんだ。

 でもそんな化け物にも抵抗できる人達が現れたんだ。

 “プレイヤー“っていう存在が。


 “プレイヤー“は不思議な力でもって化け物達を撃退していった。

 因みに私達兄妹も“プレイヤー“なんだよ。

 驚いた!?

  

 突然私達の目の前にステータスが現れたんだよ。

 分かるゲームのステータス?

 レベルアップだったり、スキルだったりで、化け物達を倒していったの。


 するとね不思議な事が起きたの。

 モンスターからアイテムが落ちたの。

 そのアイテムがね『会いたい人に会えるようにする』っていう効果で、私達はダメで元々お父さんに会いたいって使ったら、会える方法を教えてくれたんだよ。

 『化け物達を殲滅しろ』ってね。


 お父さんに会えるかもしれない。

 目的ができた私達は、そこからは死に物狂いで化け物達を倒していったんだ。

 メイちゃんと兄妹の集めたお金も使って、他の“プレイヤー“を雇ったり物資を集めたりしてね、次々と化け物達を倒していったんだ。

 するとね、私達の事を英雄とか言って沢山の人達が支援をしてくれるようになったんだ。

 

 いっぱい化け物達を倒していくと、その分レベルアップもしてきてね、色々なスキルを覚えていったんだ。

 さっきの姿を変えるのもその内の一つなんだよ。

 後で他のも見せるね!


 化け物を最後の一体まで減らせたんだ。

 でもね、その最後の一体がとても強くてなかなか倒せなかったんだ。

 あと一体、あと一体なのにそいつが倒せない。

 もう少しでお父さんに会えるのに。

 だから私達兄妹は最後の手段にでたんだ。

 

 自分達の命・を・掛・け・た・ん・だ・。

 スキルの一つに、命を燃やす事でステータスとスキルを超強化するものがあってそれを使ったんだ。

 

 そうだよ。

 お父さんの言う通り、命を燃やすって言うのは、、文字通り自分の命・・・・・時間って言い換えればいいのかな、それを燃やして戦ったんだ。


 

 ああ、そんな顔しないで!

 大丈夫だから話は最後まで聞いて!

 


 私達もこのスキルを使うつもりはなかったんだけど、使わなければ倒せないって判断したんだ。

 もう少しでお父さんに会える。

 そのためだったら自分達の命も惜しくなかった。


 なんとかして最後の化け物を倒す事は出来たんだけど、私達も限界でねそのまま意識を無くしたんだ。

 目覚めるとね、辺り一帯花畑が咲き誇る場所に私達は立ってたんだ。

 最初は、私達死んじゃったんだって思ったんだけど違かったみたい。


 私達の目の前に光る球体が現れたんだ。

 その球体は、自分の事を“世界の意思“って言っててね、世界を救ってくれてありがとうって感謝されたんだ。

 褒美としてお父さんに合わせてくれるのと、最後に使ったスキルの代償を無くしてくれるって。


 “世界の意思“は、お父さんが異世界にいるって事を教えてくれて、私達をその世界の管・理・者・でもある女神に合わせてくれたんだ。

 そこからはさっきも説明した通り、女神を脅してこの世界に召喚してもらったんだ。


 これで私の話は終わり。

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