25話 話は最後まで聞けーー!!

 俺は今、女の子に抱きつかれてる。


 




 は?

 いや待て分かるよ。

 お前いきなり何言ってるだって言いたいんだろ。

 俺も分かんねえよ!!

 異世界人ヒロ君の剣を受けてめている間、もう1人の異世界人のミライちゃんに抱きつかれたんだよ。

 本当なんで???


 まぁいい。

 抱きつかれてるのは慣れてるからな。(自慢)

 こちとら子供に散々抱き付かれているんだよ。

 今更初対面に抱き付かれても思うことなんて、、、おっこの子着痩せするタイプだな。(めちゃくちゃ思ってる)


 それにしても不思議だ。

 この子なんで俺に抱きついてるんだろう。

 俺に害がある訳じゃないから、抱きつかれる際避けなかったけど。

 それが結婚してくださいときたよ。

 いやほんとなんで?


「とりあえず離してくれないい」

「はい」


 意外と聞き分けが良いんだな。

 俺を解放し、ミライちゃんと向かい合うする。

 向かい合い、後悔する俺。

 なんでかって?

 それはね、、、



 

 ミライちゃんの俺に向ける視線がドロっとしていたからだ。

 これはあれだ。

 子供達の視線と一緒だ。


 いや本当なんで?

 怖い怖い。

 ほんと怖いんだけど。

 俺この子と初対面だよ。

 なんでこんな重っもい視線向けられるの。


「アレクちゃん!」

「アレクって俺の事か?」

「うん」


 アレクシオンだからアレクか。

 あれ?

 俺この子に名前教えたっけ?

 考えるのやめよう。

 余計怖くなる。


「ってミライ何やってんだよ!」


 アレクシオンとミライの間に入るヒロ。


「何って?」

「なんでそのヤバそうな奴に抱き付いてんだよ!」

「ヒロ君に言う必要ある?」

「っ!?」


 ミライはアレクシオンの姿を遮られた事に少なくない不満を感じていた。

 そんなミライの反応にヒロは少し怯む。


「おっ、俺はお前の幼馴染で、心配で・・」

「私がヒロ君を心配した時、ヒロ君は私の事を気にしてくれた?」

「うぐっ」


 どうやら図星みたいだな。

 それはそうだ。

 この酒場に来る前も、ミライちゃんの話気にして無さそうだったし。

 

 それにしても、おおいヒロ君。

 お前さっきからなんて言うか、小物過ぎるぞ。

 強気な態度を取ってる割には、すぐに怯んだりするしさ。

 

「貴方達、ここは酒場よ。酒を頼まないなら帰ってちょうだい」


 おっと、どうやらマスターは冷静になったようだな。

 でもよマスター。

 一つ言わせてくれ。


 

 お前から始めたんだろうが!!!




 それから俺達、、ヒロ君とミライちゃんを加えた俺達は、城まで歩を進めていた。


「取り敢えずマスターには、リバライ様とレイお姉様達が来たら、城に来るように伝えておきました」

「ありがとうな」


 まったく、待ち合わせしていたのに追い出されちゃったよ。

 この子達もそのままにする訳にはいかないから城まで連れて行かないと。


「なんで俺がこんな奴と」


 おーいヒロ君。

 こんな奴って俺の事か?

 本人の近くで言うのはどうかと思うぞ。

 失礼な子だな〜。


「ヒロ、あまりその方に失礼な態度を取らないように」

 

 ヒロの態度に、注意をするグレンだが反抗心が消えないのかムッとした表情をするヒロ。


「そもそも、そいつは何なんですか!」


 ヒロ君は、俺に向けてビシッと指を指す。


 おっ!

 俺が何者かって?

 ふっふっふ。

 聞いて驚け俺はアレクーーー


「この方は、私の育ての親でありこの国の救世主でもあるアレクシオン様です」


 ーーシオン!!

 おぉぉぉおおおおおおいいぃぃいいぃいい!!!

 グレンく〜〜ん。

 お父さんカッコつけようとしたのに〜〜!!


「グレンさんの育ての親って・・・このちっちゃな竜がですか!?」


 怪訝そうな顔を向けるヒロ君に対して俺は胸を張る。


「今はちっちゃいが俺は本当はーー」

「お父様の本当の姿はもっと大きいですよ。今は魔法で小さくなっているだけですよ」


 おまえええええぇぇええええぇええーーーー!!!

 また俺の邪魔しやがって!!

 息子だからって容赦しないぞ!!


「あの救世主と言うのは?」


 おっ、ミライちゃん気になる。

 何で俺がこの国で救世主って呼ばれる様になったか。


「それはねーーー」

「かつて、この国でとある病が広がっていたのですが、そこにお父様が現れ自分の血を使い、病に侵されている者達を救っていったのです」

「成る程そんなことが!」


 ああうん。

 もういいや。

 グレンにも悪気はないしな。

 あったら〆るがな!


「こいつがそんなに凄いのかよ?」

「それは、ヒロがよく分かっているんじゃないですか」

「え?」

「お父様は、ヒロの《絶対切断》を止めたじゃないですか」

「ああ!そうだよ!なんであの時俺の剣を止められたんだよ!?」


 思い出した様に叫ぶヒロ君。

 この子感情豊かだな。


「ああそれはだなーー」

「お父様は、ヒロの剣の側面を掴んだんですよ」

「・・・・・」

「側面?」

「ええ、ヒロ貴方の《絶対切断》は剣の刃に集中しているだけで、剣の腹にまでは効果が無いんですよ」

「・・・・・」


 俺はもう何も言わないぞ。

 なんかそんな気はしていたからな。

 もういいよ。

 俺喋らないから。(いい年して拗ねています)


 


 そんな感じで話ていき、無事城の門前に着きました。

 

 門の前では、俺が来るのを知ったのだろう。

 綺麗なドレスを着た美女が立っていた。

 美女が俺を視界に入れると、その美貌を微笑ませる。


「久しぶりね。旦那様!」

「誰が旦那様だ」


 俺は、この国の第一王女にツッコミを入れるのだった。

 

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