22話 頭痛がするの?そんな時にはお酒を飲んだ方がいいよ!

名前変更します

グラン→グレン

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「元気にしていたかいグレン」

「はい。お父様もお変わりないようで」


 俺は今、この国の親衛隊長であるグレンと一緒に、裏路地の酒場にいた。

 レイとリバライは、他の子供達を呼びに行った。


 酒場には、ナイスガイの漢、、、お姉様がいる。(察してあげて)

 棚に並べられている酒は、どれも簡単に手に入る物ではなくいかにこの店の凄さを思い知らされる。


「マスター久しぶりにあの酒をお願い」


 席に着いた俺は、昔ここでよく頼んでいた酒を注文する。


「久し振りねアレクちゃん」


 マスターは化粧の濃い顔でウィンクをする。

 ただでさえゴリラみたいな顔をしてるのに、そこに口紅を付けてウィンクしてくると、、、


 うえ〜〜〜

 ダメだきつい。

 きつ過ぎる

 失礼なのは分かるけどダメだ。

 俺にも許容範囲があるんだ。

 

 そんな俺が、この店に通う理由は先程も述べた通り珍しい酒があるからだ。

 前世の頃は、子供達の手前滅多に飲む事は無かったがこの世界に来てからは、今まで我慢していたからなのか歯止めが効かなくなっていた。

 そう、俺はめちゃくちゃ飲むのだ。

 それはもうガブガブとだ!


 巣立った子供達の仕送りの金で。

 

 ・・・・・なんだよ。

 悪いかよ?

 仕方ないだろ!

 子供達凄い稼いでいて、俺自身使い道が特にないんだよ!

 他の子達にプレゼントとか買って上げたりしているけど、ほとんどの子達はプレゼントに物じゃなくて、俺を強請ってくるんだよ!

 俺はプレゼントじゃねえ!(と言いつつ少し嬉しそうなアレクシオン)

 食事とかも、ほとんど狩りで獲ってきた魔物や森の植物・木の実とかで足りるしさ。

 勉学や強くなる為に通う学校にも通わない。(アレクシオンの側にいる方が強くなる、頭が良くなる、何より離れたくない)

 娯楽品を買おうにもこの世界では娯楽が少ない。

 寧ろ巣立った子供達が娯楽品を作り届けに来る始末。

 どうしろって言うんだよ!!!

 使い道ねえんだよ!!

 金が俺の所に集中してて、軽い経済崩壊が起きるんだよ!!(それぐらい稼いでいるんです)

 だから使わないと!!

 

 と言うことでお酒、おかわりください。



「それでお父様。何故こちらにいらしたのでしょうか?」

「あれ、聞いてない?」

「詳しくは聞いていません」

「それはまた何で?」

「姫様です」


 あー察し。

 あの姫様、俺の関わる事にちょかいを掛けるのが好きなんだよな。

 前もそれで酷い目に遭った。

  

 話は省略するが、俺がある国の戦争を止めに行った際、寧ろ戦争を悪化させやがったんだよな。

 幸い、死傷者はゼロだが尽力するのにかなり苦労した。

 まぁそれも、あの姫様は計算していたんだろうけど。

 頭の良さにおいては、常識はずれだから。


「でもあの姫様なら、俺がここに来た理由も分かってそうだな」

「可能性はあるかと。関係があるかは分かりませんが、姫様はここ最近兵士達を外に派遣していまして」

「兵士たちを?」

「はい。『略奪者』が召喚した異世界人を見張らせてた兵士を中心にですね」

「・・・・・」


 これ姫様気づいてるな。

 じゃなきゃ、異世界人の兵士達を外す筈ないだろ。

 

「怖」


 おかしいだろ。

 なんで俺の目的分かるの。

 頭良いとかそんなレベルじゃないだろ。

 

「もしかしてお父様の目的って・・・」

「異世界人達を指導しに来たんだよ」

「・・・・姫様」


 グレンは、頭を痛む様に抑える。


「苦労してるんだな」


 親衛隊長と言うこともあり、姫様との関わりも多いだろう。

 俺は、グレンに少し同情的な視線を送る。

 あれで民達の人気は凄いんだよな。(顔を使い分けているから)


 それからも俺は、グレンの愚痴などを聞き酒をお代わりをし続けていた。(樽5杯分は飲んだよ)


♢ 


「ちょっとヒロくんここ酒場だよ。私達まだ未成年だよ!」

「うるせぇミライ!ここは異世界なんだよ。前の世界のルールを持ち込むな!!」


 バンっ!


 そんな叫びと共に扉の開く音が響いた。

 扉から現れたのは、黒髪の男女だった。

 男性の方ヒロは、ツンツンした髪に生意気そうな瞳をしている。

 女性の方ミライは、ボブカットの髪をしていて小動物を思わせる可愛い子だ。

 

「おい、この店で一番高いやつを頼む!」

 

 ヒロはカウンタ席に座り、酒の注文をする。

 ミライは、アワアワしながらも結局の所、ヒロの隣に座る。


「は〜い。お客様ここのお酒はとても高いけど、大丈夫?」


 近づくマスターは、お金の心配をする。

 メニューの方も見ずに頼んだヒロを心配しているのだろう。

 ここの酒、珍しい事もあり高いからな。


「心配すんな俺は異世界人だぞ!この国が払ってくれるから早く持って来いオカマ野郎!!」

「わかったわ。少し待っててね」


 俺は見ていたぞ。

 ヒロが、オカマ野郎と言った瞬間、マスターの頭の血管が浮き上がったのを。

 

 それにしてもあれが異世界人の子か。

 ミライの方はまだ分からないが、ヒロの方はお世辞にも褒められた性格をしてないな。

 大方、元の性格とプラスして特別な力を持ってる自分に酔っているって所かな。

 こんな子ばかりだと少々面倒くさくなりそうだ。

 これに姫様も加わる事を考えると、、、


 うっ、頭が痛くなってきた。

 今は現実逃避してよ。

 

 といことで、お酒お代わり(樽10杯目)

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