第4話・白銀家

 阿修羅本部(幹部のヤヅキの家の倉庫)に着きシノハナに挨拶するツギキ。しかし空気はなぜかピリピリしていた。

 「シノハナちゃん………俺に下につけって言うって事は俺より強いんだよね?」

 喧嘩腰のツギキに対し笑顔のままシノハナはこう言った。

 「いいや…むしろ私の方が弱いと思ってる………だからツギキ君の力が必要なんだ…」

 そう言いながら優しく手を握られツギキが赤面する。

 (あっ…ツギキさん完全にハメられてる……)

 スキトはそう思ったが口に出さない事にした。

 「ま……まぁいいけど…」

 「えっ!?やったぁ!ありがとうツギキ君♡」

 そう言いながらシノハナはツギキに抱きつく。するとツギキは急いで距離を開ける。

 「わかったから離れて!!」

 そう言われ離れるシノハナ。ツギキは離れてくれてホッとしていた。そうして阿修羅にあっさり入隊したツギキ。スキトと同じくフユキがしばらくは面倒を見ることになった。(強引に)

 ツギキが仲間に加わった記念にシノハナに誘われスキトは歓迎会に連れて行かれた。

 「ツギキ君も来てるから。きっと楽しいよ!」

 嬉しそうに言うシノハナに目を奪われていると後ろから誰かが声を掛けてくる。

 「お姉ちゃん!忘れ物!」

 「あっ!ありがとうヒバチ!」

 どうやらその男はヒバチと言うらしく顔はどことなくシノハナに似ていてシノハナの特徴的な白い髪の毛と紅い目は同じだった。

 「兄弟?目と髪が同じ色だから…」

 「うん!私達白銀家は皆紅い目してて白髪だよ!」

 その後道中で教えてくれたがシノハナの家系は全員が白髪で紅い目をしているそうだ。大昔天皇家の護衛を任されていた一族で並外れた身体能力と知能を持っているらしい。

 「すごいでしょ?私の家族!シノハタお兄ちゃんとか打撃だけで古い木造住宅粉々にしてたんだよ!」

 その話を聞きスキトは上には上がいる事を思い知らされた。

 そんな話をしている内に幹部会と同じくお好み焼き屋で歓迎会が行われた。

 「せっかくだからさ腕相撲でもやろ?」

 そうシノハナが言うと幹部達とスキトとツギキ、全員が賛成した。 

 1回戦目はツギキ対ヤヅキ。 

 (何この仮面野郎……腕折ってやろっ……)

 そう意気込んでいたが秒でねじ伏せられる。

 「かっ!?あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙!!痛い!痛いからやめて!!」

 ギブアップするツギキ。ヤヅキはすぐにコハルに自慢する。

 「どうだ?お兄ちゃん強いだろ!」

 「うん!お兄ちゃんはやっぱり強いね!」

 そうワイワイしている隅でうずくまり悶絶しているツギキ。

 「ツギキ君……大丈夫?」

 スキトが慰めるとツギキはスキトに抱きついてきた。

 「あのバカアホウンコ野郎何とかしてよ!」

 そう言われ困るスキト。シノハナはそんな2人を見て笑っていた。

  歓迎会の帰りにツギキが急にスキトの手を握る。

 「なっ!?どうしたの!?」

 「んー?恋人ごっこ?」

 そう言われ相手が男なのはわかっていてもドキドキしてしまうスキト。ツギキはスキトの恥ずかしがる表情を楽しんでいた。

 「次はさっ……恋人繋ぎしよ?」

 そう言われ赤面しながらなんとか阻止しようとするスキト。しかしあっさり恋人繋ぎされて心臓が高鳴るスキト。そんなスキトをツギキは更にからかう。

 「あはっ♡顔真っ赤じゃん…このまま俺の事……お持ち帰りしちゃう?」

 「えっ?いや!しないよ!!そんな別に下心とか無いし!?別に可愛いとかも思ってないし!?」

 ボロが出るスキトを見てクスクス笑うツギキ。ツギキは純粋なスキトを今は亡き親友と重ねてみていた………

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阿修羅 @m1-t0b0-ru

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