文化祭 ー嫉妬と不運ー

「次のクラスは 4組、4組」


私達のが終わり、次のクラスのアナウンスが流れる。

ちゃんと間違いなかったし、劇としては最高だろう。

払い屋としては最悪だ。


なんで、こんなに最悪な養分が浮いてるのかな?

甘ったるさに表情筋が顰めそうになるのを抑えながら、思考を回す。

これ、拍手でどうにかしたいが、タイミングが変。

最悪、札に吸収させ合いけど、人に見られる。


「ブス子の演技最悪だったよ!」


「えーと、西本さん?」


最悪な養分を出しながら喋るので顔がよく見えないが、声からして西本さんだろう。


「謝るぐらいしなさいよ! 昂くんだって、顔を顰めてるじゃない!

昂くんの気分を害さないでくれる!?」


いや、害しているのは、主に貴方が出しているものが原因です。

そうも、言えないので。


「うーん、ごめん? 私、用事があるから」


とにかく、穏便に済ませたい。これ以上、真ん前で出されると表情筋を抑えることは無理だ。ここで、変えてしまえば余計つっかかれて、悪循環だ。


「何よ!ほんと、むかつく!」


うーん、謝ったし?いいよね?


そっと、去ろうとすると


ガシ


「何、逃げるのよ!」


腕を強く掴まれた。

逃げるじゃないんだけど、


「用事があるって言ったよね? その手を離してくれない?」


「はぁ? 話がまだ終わっていないのよ。あんたの用事なんて知ったもんじゃない!

何嫌そうな顔をするのよ!」


あー。山口どうにかしてくれないかな?

目線で山口を探すと、別の女に絡まれている。

あー、何もできないね。

視界の片隅で、小夜吉が頑張って食べているが、量が量なので減る様子がない。


「この文化祭は外部の人たちとか、観客とかを喜ばせるためのであって、山口を喜ばせるものじゃないんだよ?

みんな、笑ってたし拍手結構されたいたと思うよ」


「なんなのよ」


やっと離してくれた。


「後で後悔したらいいわよ!」

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