文化祭当日 ーお化け屋敷(1)

「ここだな」


「結構並んでるね」


「そりゃあ、文化祭といえばやしな」


「最後尾は・・・。ここか」


「これ待つんか?」


「そうだろ。そんな、げんなりして、やっぱ嫌なのかよ」


「お化け屋敷ちゃうくて、この混雑具合にげんなりしてんねん」


「山口は、せっかちだからね。まあ、私もお化け屋敷のために並ぶのはげんなりだけど」


「天音、ひどくないか?」


「そう? まあ、行きたいところは行けたし、あとはどうでもいいけど」


「文化祭で、あの店だけが目的って天音ちゃんぐらいやで」


「そう? だって、食べ物とかなら、カフェとかの方が美味しいし」


「それは、言ったらダメやろw w」


「文化祭の方が安いだろ」


「そらはそうやな」


「でも、せっかく食べるなら高くても、美味しいものでしょ」


「まあ、アルバイトもあまりしていない人からしたら、味より値段やな」


まあ、確かに、仕事をしていなければお金の余裕もないのが普通か。

払い屋は、そこそこ給料がいいと思う。個人でやっている人は知らないけど。

前みたいに、出張毎にボーナスもらえるし。


「そうだろ。昂や、天音が何してそんなに稼げているか知りたいぐらいだ。

どんだけ、掛け持ちしているんだよ。本当に」


「まあ、掛け持ちというよりいい店で働いとるからやな」


「そうだね」


「ほんと、それこそ教えてくれてもいいだろ」


「教えるのは禁止やからな」


誠也には言えないため、こうやって誤魔化している。


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