文化祭当日 ーお店巡りー

もう、いい加減待っているのがめんどくさい。

別に、お祭りが好きなわけじゃないけど、今回回りたい店がある。


「二人で回れば?」


「は?」


「なんでやねん」


「もう、行きたいんだけど。なんで、こっちが待たないといけないの」


「いや、それは」


「ないでしょ。決まらないなら、もう行くよ。3、2」


「分かったから。昂は諦めろ」


「幼馴染という筋書きに甘えてるチキンが諦めや」


「0。じゃあね」


「あー、もう、三人でいい」


「最初から諦めれればいいのにや」


「同感」


「なんで、天音が昂の肩を持つんだよ」


「いや、誠也が諦めれば、早くいけたでしょ。こっち、こっち」


「どこ行くんだよ?」


「え? 3−2」


「えーと、『推し活グッズ店』?」


「そうそう。うちわケースとか、色ごとに装飾済みの名札入れとか」


「そんなんが、在るのかよ」


「在るんだよ」


「世界は広いねんな」


「何、感心しているんだよ」


そう。この『推し活グッズ店』が目的。

いやあ、ほんと、仕事のせいで時間がなくて、作る時間がないから、助かる、助かる。


そういうのは、自分で作るから意味あると言う人もいるけど、その時間をお金で買っているわけだ。


そもそも、全員材料から作るわけじゃない。色紙とかも、百均で買ってきたのを使っているんだ。それと、同じ。



「ついた。ついた」


えーと、これと。これと。

意外と、仕事のおかげでお金はあるからね。

これと、これと。これ。よし、OK。


「満足か?」


「うん」


「じゃあ、行くぞ」


「どこに?」


「お化け屋敷に決まっているだろ」


お化け屋敷ね・・。

お化け屋敷って、集まりやすいんだよな・・・。

いや、普通のなら集まらない。ただ、誠也が行くとなると、話は少し別で在る。

まあ、雑魚しか来ないんだけど。面倒くさい。


まあ、山口もいるし、この店付き合ってもらったしな。


「・・。まあ、いいよ」


「は?いやなんやけど」


「どうしたー、もしかして、怖いのかよ」


・・・。違うよ。と言いたい。

あと、山口がなんで許可するっと言う視線を送ってくる。

まあ、いいじゃないか。雑魚なんだから。面倒くさいだけだから。

まあ、そこが1番嫌なんだろうけど。


「ちゃう」


「なら、いいだろ」


「勿論や」


山口は負けず嫌いだから・・・。

まあ、いっか。


「なら、驚いた方が負けだぞ」


「望むところや」


もう、勝敗決まったもんじゃん。と、思いながらお化け屋敷をしているクラスに向かう。

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