出張 ー味方にー

ここまで連れてきてくれた人に頼み、封印が解けた場所に近づく。

ただ、近づきすぎて何かあると車だと困るので、ある程度までしか近づけない。


「こちらでよろしいですか?」


「うん」


これ以上は、悪霊が直接何かしでかせる距離。

まあ、後徒歩で10分だろう。


今日の目標は、封印と見せかけて、悪業罰示式神にして、修学旅行の時に使えるようにすることだ。

真っ当に戦えるのが、山口と私と死神と小夜吉だと少し心細い。

それに、泊まる場所の地域は、着く前に払い切るのが理想だ。


はー。

ほんと、考えるだけで身が重い。

そして、考えているうちについた。

社の前だ。

ただ、社のしめ縄が切れている。

これを、あの子供が切ったのだろう。


大麻を取り出す。

これで、弱らせて距離を詰めれればいいが。

悪霊は少し奥、目視はできない。

塩を持って、深呼吸。


サッサ パラパラ


見えた。吐き出せる力のせいか、見た目が捉えれない。ただ、こいつが原因だろう。


「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女。天の神を導けたまおう。早々とお眠りくださいませ。眠りの果ての、道を示さんと

〜〜〜〜〜。お帰りくださいこと」


普通の霊なら即死だが、これぐらいだと弱体化ぐらいにしかならない。


(お主は誰だ! お前も、ーーの手下か!)


見た目が定まった。昔の絵に書かれているような、武士である。

やっぱり。


「その名は知らないわ。貴方は、死んで恨んで、ただ晴れずに哀れにも、我を忘れた者よ」


(ーーも死んだのか?)


「ええ。そなたが生きていたのは、300年ほど前ですわ。そして、300年間近く罪なき者を呪い、この地に封印されたのよ」


(300年間、、)


案外動揺している?

これなら、脅さな苦ても平気だろう。


「ええ。もし、償う気なら、我に名を申せ」


(名は、 秋山 季速あきやま すけはや)


いや、あっさり行き過ぎでしょ。

まあ、ありがたいけど。


「神よ、神よ。お通しください。そなたの念を払いなさい。秋山 季速。我、祓に仕え、罪を償え」


(はっ!)


よし、これで目的も仕事も終わりだ。

帰って、報告して帰ろう。

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