体調不良(1)

ピピ


「ゲホ、ゲホ。安鎮を得んことをゲホ。安鎮を得んこと慎みて五ゲホ」


だるすぎる。朝の唱えもできない。


「すー。安鎮を得んことを慎みて五陽霊神に願い奉る」


(クーン、クーン)


「小夜吉、大丈夫だから。ご飯も作るし大丈夫だよ」



(クーン)


違うよーって言っているような表情をして、こっちを向く小夜吉。

それを気にせず、スマホを出して、誠也に休むことを連絡。


これ、誠也きたらまずいな。

そう思い、仕事部屋を施錠する。

そして、軽い呼び出しの方法で死神を呼んでおいた。

死神は、とっても強い怨霊だったので物とかも掴める。

本当に、ありがたい存在だ。


(どうした、姫)


「風邪ひいちゃいましてね。あの子がきたら守って。問答無用で切っていいですわ。

3番の処置で疲れてるところ、ごめんね」


(いえ、姫の願いなら何なりと。本日はお休みくださいませ)


姫。

死神は、改心した後すぐは幽霊などに名乗っている祓と呼んでたが、なんとなく私が不愉快に思っているのを感じてか、姫と呼ぶになっていた。

なぜ、姫かとは思うが、聞いていない。


ピンポーン


やっぱり、きた。

ラインに

『風邪うつしたら、悪いから。帰って。てか、さっさと学校行け!』

と送信しとく。


『帰り絶対くる』

ときた。


(彼は学校に向かいました)


「そう」


(いいのですか?)


「いいの。もし、見られたらダメじゃない。怖いけど、しょうがないわ。

それに、死神がいるのをバレたら、消される。だから、何もしなくていいのよ。

おかゆ作ってきてくれる?」


(畏まりました)


パッと部屋着に着替えて、目を瞑る。

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