第2話

 ダンボール箱を階下へ降ろそうとして、そこで私はあることに気がついた。


 イタリアン・キッドに一週間前に、注文していたはずの手袋がそのまま預けた状態のままだった。


 引っ越し先はもう決まっていて、それもよく知っているところだった。

 隣町でよく行く公園にある噴水広場のすぐそばだ。


 例え、隣町に住んでも高校生活はそのまま続けてもいいのだ。

 だって、隣町から電車で苦も無く下登校できるし、いつも通り教室で勉強できて、いつも通り友達とはしゃいだり、一緒にお弁当を食べたり、時には相談し合ったりできるのだ。


「母さん! ちょっと、出掛けてきます! もし遅くなるようだったら、引っ越し先に直接行く!」

「まあ、荷物は大丈夫なの? ちゃんとまとめたの?」

「うん! もう終わったわ!」

 

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