第2話初めての冒険
2人は、薄暗い木々の間を1列になって、少しずつ進みます。最初あまりに暗いので、アンナが木の根に足を引っ掛け、転びそうになり、明かりを灯して歩くことにしました。これ持ってきたんだ。そう、マイケルの持参したかなり古くて重くて、それでもしっかりと明かりがつく懐中電灯は大人2人分の幅を照らし、その後は転ぶことなく大変役に立ちました。
地図のバッテン印の場所は、どうやら裏山の頂上付近、古い時計台のあたりを指しているのだろう、と、黙々と歩いた2人。
今度はアンナが一旦休憩しようとマイケルに声をかけます。もうたくさん歩いたからちょっと休みましょう。私ココアを持ってきたの飲みましょうよ。
大きな木が切り倒されて横になっているところに腰掛けて、あんなは水筒からコップにココアを注ぎ、1つはマイケルに。そしてもう一つは自分に。朝、入れたてのココアはそろそろ午後になろうとしていた。今も暖かでひんやりと薄暗い山の中にぴったりでした。
どうも寒いね。
ほんとにそうね。そう2人で話をしていた時のこと。
ガオーと一声、
そして続けてより2人の近くから。ガオー、よりまた近くからガオーと。
慌てて立った2人はココア飲み切っていたものの、マイケルはコップを取り落とし、あんなは驚きで滑り落ちて尻餅をつきました。
あまりに近くで聞こえた鳴き声に動けない。そんな2人に。
驚いたかい。
もう襲われると思った2人の顔の目の前ふにゃりとしたものがよく見ると、それはライオンのぬいぐるみそして地図の持ち主ハンスおじさんです。
おじさんが2人を脅かすように、ぬいぐるみを鼻先に手を突き出しながら持って現れたのです。
いけないなぁ。2人ともいくら昼間とは言え、子供が薄暗い山の中に入っていくなんてしかも内緒だ。もし悪い人にさらわれたりそうでなくても獣に襲われたりしたらどうするつもりだったんだい。
2人とももし本物だったら、君らはもうこの世にいなかったかもしれないよ。わかるかい?
ごめんなさい
2人はおじさんとともにおじさんの家に帰りました。
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