第27話 神と悪魔と僕2



いつから、ここに居るのか?分からないが


僕はロミナさんの最後を見ていた


「いや、ロミナさん、やりすぎですよ」


その時、隣から拍手の音が聞こえてきた


「パチパチパチ」


「素晴らしい、まさにグランドフィナーレに相応しいね(笑)」


いつもの卓袱台に神様と悪魔さんが


「なにが、グランドフィナーレですか」


「おや、随分、ご機嫌斜めのようだね」


僕は不満顔を隠さずに


「当たり前でしょう、どれだけ死んだと思ってるんですか?」


悪魔さんは、いつもと変わらない表情で


「そうだね、あの星の生物の90%以上じゃないのかな?」


僕は愕然として


「え? いくら何でも、そんなにですか?」


「ああ、正確にはこれから1年以内にはそうなるだろう


メテオの直撃であの辺一帯は、全滅したが、本当の悲劇は


これからだろうね、メテオの巻き上げた埃が


日の光を遮り、植物が枯れ、草食動物が


大量絶滅し、肉職動物も絶滅して、人間も絶滅するだろう」


「なんでそこまで?」


そこまで僕と悪魔さんのやり取りを聞いてた神様が


「必要だからだ、それ以外の理由はあるまい?」


「必要なんですか?」


悪魔さんは頷きながら


「そうだよ、予定どうりに進めるには、必要なんだよ


そうだね、君に分かりやすく言えば、ガス抜きって


やつかな、私たちも時には、間接的にでもいいから


力をぶつけないと、爆発してしまうんだよ(笑)」


それにしても、いくら何でも、こんなに殺さなくても


「君の気持ちも、分からなくはないが


我々から見たら、取るに足らない数だしね」


そうなのかも、しれないけど、僕にはすごい数だ


とても割り切れないし


それに、ロミナさんやアステルさんの心を変えたのは許せない


「おや、ダイスケ君、勘違いしてるようだが


あの二人に。力は与えたが、それ以外は何もしていないよ」


そんな馬鹿な、あの優しかった、二人があんな大量殺人をするわけがない


「いやいや、それは君の見る目が無かったんじゃないかな?」


カッときた僕は怒鳴るように


「そんなことありませんよ、僕はあの二人をよく知ってます」


悪魔さんは、僕の目を真剣に見つめ


「そうだね、ある意味で、私はあの二人の心を、変えたのかもしれないね」


やっぱり、そうじゃないか


「人を超えた、強大な力を与え、堕落させた」


え? それって?


悪魔さんは頷き


「人は、弱い生き物だ、金に、権力に、色に、宗教に


そして力にも堕落する」


「私は、悪魔だ、人を堕落させる存在だ、あの二人は


私に堕落させられた、だがそうゆう人間だったのも間違いないよ」


そんな、信じられない


「まあ、力を貰っても堕落しなかった、君には信じられないかも


しれないがね(笑)」


力を貰った?そうか、やっぱり最初から仕組まれてたんですね?


神様は頷き


「お前には、最初の出会い以外、ず~と言ってきたはずだぞ


神は間違いをおかさない」


悪魔さんも笑顔で


「そうそう、君はよくやってくれた、ご苦労様(笑)」


もう、何がご苦労様ですか


「そうだ、あの二人ですけど、なんで出会ってすぐ


僕のこと、あれだけ好きになってくれたんですか?」


もう予想はついてるんだけどね


「その予想は正しいよ、君達は、どんな世に生まれても


出会い、恋をして、結ばれる、それはかなり昔から


繰り返されてる(笑)」


やっぱり、ロミナさんとアステルさんが、僕に運命を感じたってのは


そういう事じゃないかと、思ってたよ


「そういう事だよ(笑) ところで君は何にも感じなかったのかい?」


まあ、それなりには感じてましたよ(笑)


「でも、それじゃあ、あの二人にした約束は、どうなってるんですか?」


悪魔さんはニヤリと笑い


「別に約束は破っていないだろう?」


たしかにそうですけどね、ちょっと詐欺っぱいな(笑)


「おや、人聞きが悪いね、悪魔は約束は必ず守るよ(笑)」


はいはい、そうですね


「僕の聞きたいことは、もうありませんけど


なにか、言いたい事はあったりしますか?」


神様と悪魔さんは見つめあい


「そうだな、次も頼むぞ」


「そうだね、次もよろしくね(笑)」



僕は苦笑しながら、自分が消えていくのを感じていた



FIN


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田舎から雷に打たれて異世界転生!?混沌の神様との遭遇 bookmax @bookmax

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