第22話 魔王様の宣言
「おい、ノースお前の権力で、早く何とかしてくれよ」
スーラさんが面会に来てくれた、ペンドラゴンさんに愚痴を言っている
「無茶言わないでくれ、ここは帝国じゃないんだ」
「ペンドラゴンさん、僕たちの容疑はハレそうですか?」
ペンドラゴンさん、は難しそうな顔をしながら
「そうだね、君達には、動機も殺害の痕跡も無いんだし
いずれはハレるとは、思うんだけど今すぐは難しそうだね」
僕らはガッカリしながら
「おいおい、俺たちはこんな所で、グズグズしてる暇ないと思うんだけどな?」
「もちろん、私もそれは、分かっているよ
だからギルドやこの街の官憲に訴えてるんだけどね」
キャスさんは別の事が気になるのか
「ねえノース、もしかしたら敵の狙いは
私たちを別々にするのが目的なのかもしれない
いま貴方は一人で動いてる訳だし、注意してね」
確かに、その可能性はあるよね
「そうですね、ペンドラゴンさん、気を付けてくださいね」
ペンドラゴンさん、も頷き
「確かにそうだね、なるべくこの辺りで活動するようにするよ」
その時僕の頭にロミナさんの言葉が響き渡る
「聞け、この魔王の宣下を」
三人にも聞こえているらしい、お互いを見て確かめ合う
「おい、これ?」
「ええ、なんか頭に直接、聞こえてくるみたい?」
「ああ、私にも聞こえる」
ロミナさんの宣言は続く
「魔王ロミナの名において、ここに人の世の終わりを宣言する
私はすべての人に等しい死を与えよう
男、女、子供、年寄り、区別はしない」
これは世界改変か? さすがロミナさんだな
「もし私の宣言に異議が、あるなら私はヘクト城にいる
いつでも訪ねてくるがいい」
スーラさんが怒鳴る
「ヘクト城だと、ま逆じゃないか」
ペンドラゴンさんはも
「私達はどうやら、ここにおびき寄せられて、しまったようだね」
「こんな所で、グズグズしてられないわ、すぐにヘクト城に向かわないと」
「ペンドラゴンさん、何とかすぐにでも
僕たちを出してもらえるように話してもらえますか?」
ペンドラゴンさんも頷き
「ああ、多少無理をしてでも、君たちを自由にする」
ペンドラゴンさんはそう言うと、すぐに移動を始めようとした時に
「なに?」
「どうしたですか? ペンドラゴンさん?」
ペンドラゴンさんは苦悩の表情を浮かべ
「完全にやられたようだ、私とシーザは心が繋がっているんだが
そのシーザとの繋がりが断たれた」
「え、それって?」
「ああ、シーザが殺されたんだろう」
くそ、完全にやられたぞ
僕たちは言葉もなく立ち尽くすしかなかった
あの魔王様の宣言から2ヶ月、このヘクト城の外は数も数えられない位の
大軍団に囲まれていた
「ふふふ、ようやく面白くなってきたようですわね(笑)」
「そうかね?君は王都に残った者を
男女見境なく寝屋に引き込んで楽しんでいたようだが?」
駄猫が、わたくしに意見してくる
「あんなの、たんなる暇つぶしよ、すぐに飽きてしまいますわ」
駄猫が溜息をつきながら
「君に頼まれて、連れてきた、魔王様に少し似た少女はどうだね?
少しは大事にしてくれると、ありがたいんだがね」
わたくしは笑顔で
「あの子なら、もうバラバラにしてやりましたわ(笑)」
「オイオイ、早すぎないかね?」
「だって、いくら教えても、ロミナ様の真似が上手くならないんですもの
あんな馬鹿な人形要りませんわ」
「そりゃあ、魔王様の真似はそうそう出来るもんじゃないだろう
小生の苦労を考えて多少は妥協して貰いたいのだがね」
「そうね、次はもう少し我慢することにしますわ、駄猫、次もお願いね(笑)」
「いや、小生はそれなりに、忙しいんだけどね」
駄猫の溜息が深くなる
「ぐおぉぉおおおおーーーー」
外から怒号が聞こえてくる
「あら、始まりましたわね(笑)」
「そのようだね、じゃあ小生は役目に戻るから」
そう言って駄猫は自分の影に消えていく
なによ、駄猫の役目って、ロミナ様の膝の上に乗り
ロミナ様に撫でられるだけじゃない
なんて、羨ましい、わたくしにその役目を譲りなさい、もう
ロミナ様いわく、大事な時に魔王は膝の上に乗せたペットを撫でないと、いけないらしい
意味は分かりませんが、わたくしもペットみたいな物ですし
そのうちお願いしてみようかしら?
「まあ、それはいいとして」
窓のから見える、アンデットと人間の潰しあいを、眺める
なかなか、面白い見世物ですけど、いまいち派手さが足りませんわね
「やっぱり、わたくしも、いくとしましょうか(笑)」
思い立った、わたくしは、窓から飛び降り、戦場に走り出す
目についた人間は、アンデットごと、この爪でバラバラに
「ぎゃあああーーー」 「うわーー俺の足がーー」
ああ、心地よい悲鳴ですわね
あら、あの男はなかなか、わたくし好みね
その男以外をバラバラに切り刻み、男を抑え込む
鎧と服を爪で剥ぎ
「まあ、早く大きくしてください、こんなに縮こまっていては、役に立ちませんわよ」
男は震えるだけで、返事も出来ないようだ
「もう、このグズが」
興味を無くし、わたくしは、その男の一物を切り取り、それを男に見せてやる
「ぎゃああーーー」
そう、せめて、わたくし好みのその顔を苦痛に歪ませてくださいね(笑)
ああ、本当に楽しい
どうせ、この人間どもも、死ねばアンデットになるし
ロミナ様が、どうお考えになっているのかは、分からないけど、しばらくは楽しめそうね
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