第18話 三人目の四天王



「本当に退屈だわ、何か面白いことないかしら?」


わたくしの上で腰を振っている男が、その言葉を聞いて動きを止める


「あら、いつ止めていいと言ったのかしら?」


慌てて腰を動かし始める男、ああほんとに退屈、あらまた止まりましたわね


「もう この役立たずが、え?」


首がない? なんで?


首の無い、体から勢いよく血が噴射し、私の体に容赦なく降り注ぐ


「ヒィーーーーー」


「まあ 大きな声ね、うるさいから、少し控えてもらえません?」


え 誰なの? 誰なのこの女は? あの頭に付いてるのは角なの?


「誰なの? この無礼者が、わたくしを誰だか、わかっていませんの?」


女が愉快そうに笑いながら


「もちろん知っていますよ、王女様(笑)」


なんなのこいつは? そうよ衛兵はどうしたのよ?


「衛兵、衛兵 誰かいないの?」


女が笑顔のまま


「駄目ですよ皆さん、お休みになってるんですから、まあいくら騒いでも起きませんけど(笑)」


その時扉を開けて誰かが入ってきた


「ロミナ様、王子を連れてきました」


「やめてくれ、痛い、もう髪を引っ張らないでくれ」


え? お兄さま? 黒い羽根を生やした女に、お兄さまが髪の毛を掴まれ引きずられてくる


「そう アステルご苦労様、さて四天王には高貴な血の者を


一人は入れろって事でしたけど、どちらにしましょうか?」


「そうですね、私はどちらでも構いませんが、こちらの王子でよろしいんじゃないですか?」


「あらどうして?」


「はいその淫乱王女、四天王にしたらダイスケさまを誘惑するかもしれません」


角の生えた女が頷き


「そうねダイスケさまがこんな淫乱な女に誘惑されるなんて


我慢できませんね、よしじゃあ王子に決めましょうか」


まずい、なにが決められているのか、分かりませんが選ばれないと


殺されるのだけは分かりますわ


「お待ちください、何を決めてるのか分かりませんが


その男はお薦めしませんわ、最初に生まれた


ただそれだけの理由で、王位につく、何もできないグズ、役立たずなんですから」


お兄さまが私を睨み


「黙れエリザ、それ以上の侮辱は、たとえ妹といえどタダでは済まさないぞ」


愚かなお兄さまを見ながら、この場の支配者二人にへつらうように笑う


「ほら 今自分がどんな状況か、まったく理解してませんでしょう?」


羽根の生えた女が頷きながら、


まだ騒ぎ続けるお兄さまの髪の毛を持ち上げ黙らせる


「少し静かにお願いしますね」


「ヒィーーー」 「痛い、お願いします、降ろしてください、頭の皮が取れそうです」


お兄さまが黙ったのを確かめ羽根の生えた女はお兄さまを降ろす


「確かに愚かすぎるのも問題かもしれませんね、どうしますロミナ様?」


ロミナと言われた角を生やした女が私の方を見る


「そうね、王女の方でもいいのですけど、この淫乱な雌犬はちゃんと


おあずけが出来るのかしら?」


「大丈夫ですわ、わたくしはちゃんと躾の出来ている雌犬ですわ」


ロミナという女は私の態度が愉快なのか


「まあ 王女様には王族の誇りというものが無いのかしら(笑)」


うるさい、誇りなんて、今なんの役に立つのよ? 生き残ることが優先よ


愛想笑いを浮かべ、背一杯の媚をうる


「ふふ いいわね、お前に決めたわ、アステルその男はもう要らないわ」


次の瞬間すごい力で、壁に叩きつけられ、お兄さまがひき肉なる音が聞こえてきた


「ぐちゃーーー」 


「ひぃぃいーー」わたくしの口から悲鳴がもれる


危なかった、もう少しでわたくしが、ああなるところだった


ロミナが脅えるわたくしの方に進んでくる


「さあ お前に力をあげるわ、少し痛いけど我慢してね(笑)」


ロミナが脅えるわたくしの頭を掴み指を、耳穴に入れてくる


「ぎゃああーーーーー 痛い、痛い やめてくださいお願いします」


すごい力で抑え込まれ、泣き叫ぼうとも、わたくしは自由になれなかった


「さあ どうかしら?人を超越した気分は?」


「はい最高の気分ですわロミナ様 ああなんて素晴らしい」


ああ本当に最高の気分だ、ちょと前の自分がいかに惨めで


小さい存在だったか、嫌というほど分かる


そうだこの感謝の気持ちをロミナ様にお伝えしなければ


裸のまま、ロミナ様の元に跪き


「ロミナ様、わたくしは女も喜ばせることができます


よろしければご奉仕させてください」


ロミナ様は私を呆然とみながら


「エリザ、それはいいわ、お前は他の事で、私の役にたって頂戴」


「わかりました、ロミナ様、かならずお役にたってみせます」


ロミナ様はわたくしの返事に満足したのか


「そうね、お前には新しい名前をあげましょう、何がいいかしら」


ロミナ様はわたくしの体を見つめ


「お前は今日から魔王の爪よ、その爪でこの魔王ロミナの敵を引き裂くのよ」


今日から、わたくしは魔王の爪、この爪が、わたくしの誇り、


ああ王族の誇りなんてどうでも、よかったけど


この爪はちがう、うっとりと爪を眺め、出し入れが出来るのを確かめる


ふふ、爪が出たままでは、ロミナ様にちゃんとご奉仕できませんものね


わたくしが爪の出し入れを試しているの見てたロミナ様が


「アステル、エリザこの城にいる人間を皆殺しにしなさい」


私たちはロミナ様に頷き、わたくしはアステルさまに


「アステルさま、お父様とお母様の事なんですけど」


アステルさまは、わたくしの方を向き


「別にお前に殺せとは、言わない、私がやるわ」


ああ勘違いなさってるようね


「いえ、わたくしにやらせてください、あの二人本当にうるさくて


やれお淑やかにしろ


遊びは程々にしろ、ほんとこの手で殺してやりたい程でしたの(笑)」


以外だったのかアステルさまは


「そうかじゃあ、その二人はお前に任せよう」


「はい ありがとうございます、でわロミナ様、すぐに終わらせますので


少々お待ちください」


ふふふ あの二人がどんな命乞いをするか今から楽しみでしょうがない


ああ これからは退屈しないで、すみそうだわね(笑)

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