第8話 ロミナさんの婚約者


僕がギルドでお昼を取っていると突然ロミナんさんが駆け込んできた


「ダイスケさま お願いします 私ときてもらえませんか?」


随分慌てているみたいだけど 一体なにが?


「どうしたんですか? ロミナさん少し落ち着きましょうか」


ロミナさん僕の言葉に頷き椅子に腰かけお茶を注文した


「ダイスケさま はしたないところを 見せました」


お茶を飲んで落ち着いたのかロミナさんは僕に話してくれた


「ダイスケさま 私に婚約者がいるのはご存じですか」


「いえ いま初めて聞きました」


「そうですか いまその婚約者が家に来ています」


「そうなんですか?」


それは僕に何をさせるつもりなんですか?


「ダイスケさまじゃあ いきましょうか」


「え あの僕は何しにいくんですか?」


ロミナさんは心底不思議そうな顔しながら


「まあ もちろん あの男を叩きだす為に決まってるじゃありませんか?」


なんで もちろんなんですか? 僕その人に会ったこともないんですけど


「いや ロミナさん 僕その人に会ったこともないんですけど?」


「あらダイスケさま そんなことどうでも いいじゃありませんか?」


「さあ いきますよ ダイスケさま 早くしてください」


ああ もう行くことが決まってるんですね


「はい 行きますから そんなに引っ張らないでください」






「お父様 いま戻りました」


「ロミナ お帰り ライル殿がお待ちだよ」


「はい 私もライル様には お話があります」


「おやダイスケ君 久しぶりだね」


「お久しぶりですボュシュ伯爵」


「ロミナ そちらの方は?」


この人がロミナさんの婚約者か 銀髪 青い目 身長は170cmくらいかな 結構なイケメンだな


「ダイスケさま こちらの方が 私の婚約者だったライル様ですわ」


「婚約者だった?ロミナ何を言ってるんだ?」


ええ 僕も 同じこと思ってました


「ライル様 もうしわけありませんが今日限り 婚約を解消させていただきますわ」


ああ 言ってしまった


「ロミナふざけているのか? 冗談では済まないぞ」


「ええ もちろんふざけてなんか いません 」


「私はここにいるダイスケさまと 添い遂げる約束をしてるのです」


あの僕も今その事実を初めて知ったんですけど?


ライルさんが僕を憎しみのこもった目で睨んでいる


「いえ ライルさん勘違いしないでくださいね 僕はそんな約束してませんから」


「ええ もうロミナはダイスケさまの物なのです さあ お帰りください」


「ふざけるな ただでは すまさないぞ」


ぜんぜん話が噛み合わないんですけど(笑)


「あの 落ち着きませんか?」


「さあ ダイスケさま 言ってやってください 二度とロミナの前に顔をだすなと」


「貴様らここまでコケにするとは 覚悟は出来てるんだろうな」


いや あなたたち なんか気が合いそうだし 僕抜きで話してくれませんか


「あのですね 誤解がありますから 僕の話を聞いてください


「これ以上 文句があると言うなら 仕方ありません さあダイスケさまこの男を叩きだしてください」


「このクソどもが よしダイスケとやら まずお前から血祭にあげてやるぞ」


ええええ 僕ですか?


「伯爵なんで黙ってるんですか? 貴方からもロミナさんに何か言ってくださいよ」


僕一人にどうしろって 言うんですか 伯爵 たのみます ロミナさんを止めてください


「いや べつに いいんじゃないか?」


「え? 何でですか伯爵 付き合いとかないんですか?」


「いや 何かあったらダイスケ君がどうにかしてくれるってロミナも言ってるしね」


なんでそんな戯言信じちゃうんですか伯爵 僕にどうにかできるわけないでしょう


「いいだろう貴様らの考えはわかった ここまでの屈辱を味わったのは初めてだ」


すいません 僕にはもうこの親子を止めることができません ほんとにすいません


「ダイスケ貴様を殺す それも 残虐にだ貴様に泣き叫びながら殺してくださいと懇願させてやるぞ」


なんで今日 会ったばかりの人に ここまで憎まれなくちゃいけないんだ?


ロミナさんが 怒った顔して


「ダイスケさま この無礼な男を懲らしめてやりましょう 泣きながら命乞いさせてやりましょう」


我慢の限界にきたのかライルさんが剣を抜き僕に迫ってくる


「しねーーーーー」


うわ とっさに僕は剣を抜きライルさんの剣を弾き飛ばす


「落ち着きましょうライルさん ね 落ち着きましょうよ」


手がしびれたのか 右手をさすりながら


「いいだろう 今日の所は引き上げてやる だがこのままでは すまさないぞ」


そう言ってライルさんは大股で屋敷を出ていった


「ああ どうするんですか? ロミナさん伯爵? ただじゃすまさないって言ってましたよ」


伯爵は少し考え


「いやたいしたことないよ たぶん うちの街に攻めてくるくらいだよ」


「いや たいしたこと ありますって それって戦争ですよね?」


「まあ そうだね 実は前から立場をかさにきて 無理難題吹っ掛けてくるやつらでね」


「ライルも父親のザナック公爵も気に入らなかったんだ 私もスッキリしたよ」


「いや スッキリできても戦争になるんですよ? どうするんですか?」


伯爵が真面目な顔で


「まあ戦争までには たぶんならないと思うよ」


「じゃあお金とかで解決ですか?」


「いや決闘を申し込んでくると思う 1対1か 10対10か 100対100のどれかになると思うな」


「そうなんですか じゃあ がんばってください」


伯爵とロミナさんがキョトンとした顔を見合わせ そのあと笑い出す


「ダイスケ君何言ってるんだい がんばるのは君じゃないか(笑)」


もちろん わかってましたよ はははは


ロミナさんも笑顔で


「ダイスケさま もし1対100になりましたら いちようアステルもいれておきますか?」


いや なんで僕一人で 戦うことになってるんですか?


「ロミナまだ決闘の申し込みもきてないんだ 先走りしすぎだぞ(笑)」


「そうでしたわねお父様(笑)」


「はは まったく はははは」


もう 逃げても いいかな? はははは

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