第29話



次の日、店主に言われた通りに、警察に匿名で写真を送った。

事件は素早く解決し、その男は以前の殺人も認めた。

その事件解決の報道を聞き、僕は店主の言われる通りに

ある有名な出版社にネガ入りの写真を持って行った。


僕は有名カメラマンとなるかも知れない。

僕の将来に希望が持てる事に喜びを感じた。


僕は、あのカメラ店に行くのだが、いつも店が閉まっている

店主にお礼を言いたくて、訪れてはいるのだが不在である

ニ週間ぐらい会っていない。


今日も店が閉まっている。

「何故何だ! 前はいつでも開いていたのに。

事件が解決した報告しに来たのに。」

と、不満の独り言。しかも声が大きかった。

その声が聞こえたのか?

ある女性から声を掛けられた。

50代ぐらいの太ってはいるが背の丈は低い小柄の女性だ。


「このお店に用事があるのですか?」

と、怪訝な表情を浮かべ聞いてくる。


「此処の店の店主に用事があるのですが、最近不在で困っているんです。引っ越しされたのでしょうか?」


「引っ越し?いえいえ、此処の人は一年ほど前から居ませんが

・・・・」

と、小声で言う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る