第23話

よく観てご覧。ここに女性の霊がぼんやりだが写っている。」


「何処にですか?・_・_・」

と、目凝らして観る。

「此処だよ。ピースのポーズとってはいないけど、此処に悲しそうな顔して君を観ているよ。

次の写真だが、この写真を撮る前に、何か変な事 

無かったかな?」


「そう言えば、女性の悲鳴が聞こえたのですが、気にせずに撮り続けました。」


「悲鳴が聞こえた?!じゃこの写真はその女性の写真だな。」

と、次の写真を差し出し卓上に置いた。

目を凝らして観ると、女性の怯える顔が写っている。

「こんな被写体見えて無いです。何ですか?これは!」


「このカメラは、直接被写体を撮るのでは無く、君の心を通して写真を撮るカメラでもあるんだ。

君は悲鳴を無視したけれど、本心では気になっていたはずだ。

これがこの写真に写ったのだよ」


「そんな事ってあるの?・・___・・」


「もっと凄いのが次の写真だ!

この男、女を刺している。今日の殺人事件だ!

男の顔が写っている。証拠の写真だ。これは」

写真には、後ろから女性を襲う男の顔が写っている。

「でも、こんな写真を警察に持って行くと、僕も疑われないかな?

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