第4話



「そんな事ねえよ。お客さんは心も綺麗だし正直者だよ。俺は顔を見たらその人間の全てを見る事ができる男なのさ」

と。

……またもや、嘘くせい。私の全てが判るだと!じゃあ、私がどんな人間か言ってもらうじゃないか!……

と、心に秘めて、私は爺さんの目を見て言った


「僕ってそんな男に見えます〜^_^」

と、声が嬉しさで裏返った。


僕は正直者では無い!事を確認する瞬間でもあった。😅

「見えるよ。このカメラ、あんたにやるよ。これで心霊を撮ってやってくれ。

彼らだって、写真に写りたがっているんだ」

と、爺さんは霊の事を知っているかの様に言う。


「このカメラ、私にくれるのですか?本当に、良いですか?只でくれるのですか?」


「やるよ。こんなカメラ持っていたってどっちみち売れない。兄さんにやるよ。」


……売れないカメラをくれるのか?

でも、ロハは有難い。これで霊を取るぞ!……


「カメラは只だが、フイルムは有料だよ。

それと、現像代もだ。

また、フィルムも霊を写すフィルムだから、少し値は張るが良いかな?」


「どれくらいするのですか?」


「大した事ないよ。フィルム一枚100円だよ。現像代は一枚50円だ。どうかな?」


「それくらいなら、良いですよ。」

と、僕は簡単に何も考えずに答えてしまった。

只でカメラを貰って

嬉しい様な、嬉しく無い様な心境のまま

私は、家路に向かっていた。

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