第3話

と、訳の分からない事を言い出す。


「売りもんじゃなかったら何なのですか?」


「これは、心の綺麗な正直者しか写す事の出来ないカメラなのだっ、ぞ」

と、何故か語尾に愛嬌を入れる言い方をした。

店主の顔に似合っていない言い方だ。


「じゃ、嘘つきはこのカメラでは写真が撮れないのですね。」


「わかっているじゃねぇ〜か。そうだよ。

正直者の心の綺麗な人しか写せねよ。」

と、言葉が荒っぽい。

「だったら、僕は無理です。正直者でも無いし、心も綺麗では無い」


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