エルフって森の中で暮らしてて肉食とか火を嫌うイメージだけど草だけ食べて火を嫌ったら腸が伸びて腹がでっぷりした木に擬態できる毛皮をまとった脳がサル並の生き物になりそう

 一方で何も問題なく世界の壁を超えて召喚された他の人間たちは気づいたらいきなり視界に映る光景が全く別の代物に変化していたことに驚きと怯えを混ぜたような表情で周囲を見る、そして白い、いわゆる法衣を着込んでいる人とその人の後ろにいる黄金色の王冠を頭に乗せ赤色のマントを羽織ってマントの下には首の襟から腰辺りまで金色の縦縞と銀色の縦縞が交互に走る服を着て更に同じ柄が足首まで走るズボンを履いて口の上に白色のヒゲを生やした豪華な椅子に座った恰幅の良い人間が視界に入るとその視線が固定された、なぜかといえばどう見てもその服装が明らかに立場の高い人間と言い表しているからだ

 そして白色の法衣をまとっている人間が自分たちに向けて3歩ほど進んで来て頭を下げて来て口を開く

「ようこそいらっしゃいました勇者御一行様」というすると後ろにいた椅子に座っていた王冠を載せた人間も椅子から腰を上げて前に出てきてニコリと笑いながらこちらに歩いてくる、その姿は笑みを浮かべている人によれば好々爺にも見えるかもしれないがこの王様の場合は、老いでシワの深く刻まれていながら若いときには筋肉のしっかり付いていたことがわかる顔に浮いていればどことなく圧迫感というか強い圧力というかそのようなものを感じてしまう表情で話しかけてくる

「すみません、教皇があまりにも言葉足らず過ぎましたな、私はこのモルド王国の国王であるビルマス・ド・モルゲウスといいますこちらは我が国の国教”五極教”の教皇であるロドモ・ルビス・ド・ゲルナムといいます皆様方は我らが五極教の至高神であらせられるラウースさまのお告げによりが我が救国の英雄としてご召喚されたのです」

 当然生徒たちは全員が困惑している状態であり更に担任の先生もあまりに現実離れしている現状に思考がフリーズしていたそこに来て更に自分たちを召喚したなどという理解の範疇にないことを言い出してしまい挙げ句のはてに神様がこうしたら良いよといったなどという彼らの常識では信じられないようなことを行ってきたのでろくな返答もできなかったすると生徒の一人が声を上げる「え?これってもしかして今の俺っていわゆる植物状態か何かにでもなっちまっているのか?」と言い出す

 彼らはこの状態をいわゆる瀕死の状態になったときや死にかけている状態のときに見るといういわゆる走馬灯、あるいは臨死体験とでも呼ぶべき状態ではないのかと判断いているようであるまあこんな並外れて現実感のない状態になってしまってはそう考えるのも無理はないだろう、するとまた一人が口を開いた「でも死んでしまう寸前に見る走馬灯とかってそれまでの人生の追体験をしたりする現象だよな?それに臨死体験してるにしたってここに全員いる事自体がおかしくないか?流石にクラスの人間全員が一緒に死にかけること自体が流石におかしいだろ隕石が落ちてきたとかそんなレベルの話だろうけどそれだって流石にもっと分かるはずだぜ?」「たしかにそうだな、そもそもここも幻想的な調度品とかも多いけどどことなく人工的っていうか社会科見学で見に行ったことのある協会とかみたいな感じがするなぁ」その声を皮切りにして全員の目が怯えと困惑にまみれたものから周囲を色々と見てみようという好奇の視線に移り変わっていくそしてよく見てみると王様らしき人と教皇だけでなく周囲には自分たちに向けてお辞儀のような体勢のいわゆるメイド服というものを着ている女性たちが十数人もいることに気づいた

 そして男子たちの多くの人間の視線がそのメイド服を着た人の首元に向いて女子たちの視線がだいたい冷たくなった

 やっと教師の思考が再起動していた生徒たちよりも長い時間を生きていわば固定観念とでも言うべき物が固くなってしまっていたせいでより今回の衝撃が大きくなっていたのである

「ま、待ってください完全に何を話していられるのか私には全くわかりません、どうか事情を細かく教えてくれませんか?」

 すると豪華な格好の人間が語りだす「もちろんです、そのためにお話するための場所も用意させていただいています、どうか席でお食事を挟みながら細かな事情などをお話させていただきます」

 そう言うと王様は手をパンパンと叩くとその背後の大きな両開きのドアが自分たち側にギィーと音を立てて開く、その先には横に長い50人ほどは座れそうな大きな机があったそして王様「ぜひともじっくりとお話させてください」と笑顔で言う

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人間が五感で世界を認識しているなら幻視や幻聴で錯乱してもしょうがないよね @aosiu

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