高次元にいる神様を転移なり転生なりで人が見た時って2半規管しかないヤツメウナギが3次元を認識できるような快挙かも?

 貴方たちはクマムシという生物を知ってはいるだろうか彼らは乾眠という極端に代謝を落とした状態に入るとほぼすべての人間が即死するレベルの放射線を照射されたとしても生存することが可能になる。


 つまり生物というものは代謝が遅いほど自己の変化を遅くできそれは相対的に見た場合異なる環境の影響を受けなくさせられるということである、そして異世界ということは物理的な法則そのものが異なっていてもおかしくないというより完全に物理的な法則が一致しているということはまずありえないものである、そのまずありえない状況下の異なる世界を探し当てることでも宝くじを百回充てるよりも難しいことは容易に想像がつく、がさらに世界が並んでいたとしてそんな貴重な世界がキレイに隣接しているかといえばほぼあり得ないといえよう、当然複数の世界を経由して召喚しようとしている世界にたどり着く必要があるがいわゆる勇者と言われても彼らは元の世界でホモサピエンスと言われている生物種でありその体は当然元の世界の物理法則に準拠した生命活動が行われているのは想像に難くない、当然異なる世界の法則では彼らの体を構成する分子の挙動は狂うだろうしさらに原子と原子が結びつく力が変わってしまえば即座にぺちゃんこにつぶれてしまうか沸騰したお湯から立ち上る蒸気のように霧散してしまうだろう。

ならばどうするか当然これに対処できる手段は一つしか存在していない、それこそが対象の時間を一時的に停止させる魔法である

そして先ほど魔法陣で召喚されようとしていた彼らも同じように時間を止められている、その先ほど床に光っていた線は教室全体を囲む魔法陣の一部である、そしてこの魔法陣は中にいる人間の時間を停止させて外界からの影響を一切受けなくしてから高速で元の世界の指定された座標に陣の中にいる人間を移動させる機能があるのである。

本来は時間を完全に停止させて移動するため一切外部からは干渉されず呼び寄せることができるものの魔法陣とはいえそれらは線の内部に細かく彫り込まれた情報のもとに魔力が流れて動くものである、最外部に時間を停止させる式が彫り込まれているため内部の時間を停止させることで魔法陣の転移の効力にムラができないようにするので殆ど全ての召喚で漏れが発生しないようになっている。

しかしこの魔法陣には欠点が存在したそれは内側からの干渉には極端に弱いというとこが欠点であり召喚の魔法陣には時間の停止によって無理やり補われていた部分が数多く端的に言えばこの魔法陣はなぜ動くのかもろくにわかっておらず長い期間が立って古代から伝わる魔法陣を使わなければいけないことになる時には読み方がわからなくなったり失伝してしまっている部分などを手書きでいくつもコピーして試作した魔法陣を全て使ってみて上手く稼働するものが出来るまでずっと回し続けるという力技で動かしていたため現代において勇者召喚の魔法陣の原本とされている魔法陣もそのじつ太古の時代の真の召喚用魔法陣の原本に比べて複数の部分が粗雑で劣化してしまっているのである。

これは空間を超越する陣も劣化しているが時間の停止に関する陣も不安定化している面があり走って逃げ出そうとした男子はちょうど上半身と下半身で時間が動いている部分と動いていない部分の時間の停止が不安定な状態で異世界に移動を始めてしまった結果空間を超えて移動する中でちょうど世界と世界の狭間に入った瞬間に召喚の魔法陣から振り落とされてしまった。

時間は停止している状態のため男子は消滅しないで済んでいたのだが男子は地球人の暦上の時間で約数百万年相当の時間で世界と世界の間の最下層にまで沈んでいってしまった。

ちなみに教室の他の人間がたどり着いた世界はまだ到着して数分しか立っていないこれは宇宙そのものが高速で膨張しているせいで太陽系ですら世界と世界の狭間の完全に止まっているこの場所に比べて時が遅く流れているのである。

男子が迷い込んでしまった世界と世界の狭間の見た目は人間の言葉で言語化するのが非常に難しいものの強いて言葉で言うならば混沌というのが最も適切でありイメージで言うのであれば水に数種類の色素を垂らして混ぜていないような状態が周囲にふよふよと浮かんでしまっているという非常に君の悪い状態になっている。

男子はその中を主観的に見れば下方に向かって移動していて彼が通った跡には複数の種類の色が混ざり合って全部が重なった色合いになることはなく非常に目がチカチカするテレビの砂嵐がカラフルになったようなすごい気持ちの悪い状態になっていた。

そしてある地点で男子の下降は止まった、そこは地面(?)が角々していて至るところから沸騰した色の付いた何かがゴボゴボと湧くように動いているが底から湧いてくる泡すらも何故か四角く見える異常な状態だった、湧き上がるところは古いゲームのポリゴンのように角々していた

そしてそこから男子のときが動き出すのは更に10億年の時が過ぎてであった

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