第2話 お前、それ、相手誰だ
気付けば、時刻は昼の12時。電子レンジで加熱し終えた昼食の冷凍パスタを取り出して、ダイニングテーブルへと持ち運ぶ。
「ところで、どうしてあんなにエロかったんだ?」
本音がこぼれていた。俺の好物であるパスタの香りや味は既に上の空になっており、さっき家を出かけた妹のことを思い返してみる。
まず、服装。清潔感があり、少しシルエットが大きめの白い半袖Tシャツに、脚の大部分が露出した黒のミニスカート、おまけにヘアアイロンを使い、髪の毛を全体的にカールさせていた。ダメ押しだが、家を出る時にブラジャーの肩紐が少し鎖骨部分から見えていた
うん。悩殺。これは妹が普段家にいる時の格好を、寝巻きか高校のジャージ姿しか知らなかった為だと俺は考えている。しかし、何だろうか。俺も一応男なので、年頃の女に対しては、多少目線のやりどころに困るというか。それが例え、自分の妹だとしても……。
「出るところちゃんと出てたしな。ハハッ」
またまた本音がこぼれた。今度は少し笑いながら。ほんとにキモいな俺。シスコンってやつなのかこれは、如何せんキモいことに変わりはない。ただ、眼福は眼福である、その対象は少し厳しいが。
ここで少し遅れたが、自己紹介をしたいと思う。俺の名前は、
いや、違うんだよ?妹に嫉妬してるとかじゃなくて、……。
なんかこう胸がざわざわするというか、武者震いというか。だってさ、女子高だぜ?男とどうやって知り合うっていうんだ。単に出会いが無いだけか。まあ、考えると俺が虚しくなるだけだから辞めよう。でもなんだかドキドキしませんか?相手は妹だけど、女子高に通う女、しかもまあまあ顔立ちは整っている……と思う、(本当にキモい、我ながら)で多分だけどいわゆる1軍女子。
こんな展開気にならない野郎共は、いるだろうか、いやいない。(n=1 つまり俺だけ)
こういう思考に至ったら、今の俺は誰にも止められない。天崎千里無双が始まるのである。心の中は相手の男の正体を確かめたい一心で一杯だった。食いかけのまだ微妙に温かい冷凍パスタを、半分以上残して、急いで2階の自室へと階段を駆け上がる。
「今のこの気持ち、たまんねええええぇぇぇぇ!!!!!」
感嘆符が思わず5つ出るくらい、家の中で幸せそうにひとりで叫んでいた。
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