第10話 田舎にあるでかめのスーパー

 ケンタローおじさんは大きな車を持っているから、私達二人乗ってもまだ荷物も沢山のせられる。


 田舎だけど車があれば大きめのスーパーに行けるから私もそろそろ車の免許をとらないとな。


 毎回頼るのも申し訳ない。


 などど考えていると車は大型スーパーに到着した。

 一階にメリーゴーランドがある。 


 おいそれと遊園地までいけない子供ための遊具だと思うけど、ひなたが少し乗りたそうに見てる……。

 マジか?


 ここで大人が乗れば悪目立ちする。

 私の服装も相当だけど。



「ゆ、遊園地に行ってから乗ろう、本物の遊園地」

「マジすか!?」 

「ひなたの作品がもう、一冊書籍化したらお祝いに」

「う、頑張ります……っ!」



 今日は車だし、私もかわいい服を着てる。

 フリルとリボンのついた例のあれ。

 でも車を出してくれたケンタローおじさんは気にしないから助かる。

 店内についてからはおじさんとは別行動。


 私達はオタクの性でついつい、おもちゃ売り場へ向かってしまった。


 私はひとまずいくつか並ぶチャポンの機械を物色してみる。


 可愛いのがある!


 そして喫茶店メニューの可愛いミニチュアガチャポンの機械の前に座り込んでいたら、



「おねーちゃん、お洋服かわいい!」

「あ、ありがとう」


 見知らぬ幼女に服装を褒められた!

 照れる。


「すみません!」


 母親らしき人が慌てて幼女の手を引いて行った。

 見知らぬ人に娘が声掛けて焦ったのだろうが、褒められただけなんで別に私はいいんだけど。


「それ、かわいいですよね」

「うん、ちょっとチャレンジしてみる」

「メロンクリームソーダ出ろ!」


 小銭を投入してハンドルを回す。

 カシャンとカプセルが落ちて来た。


 さて、中身は……と、


「クリームソーダ出ました?」


 パンケーキだった。


「パンケーキだけど、これもかわいいからいいや」



 良き良き。これもかわいい!



「ひなたは何か買うの?」

「もう、買いました! なんちゃらバニアのエケチェン!」

「あー、動物の赤ちゃん、かわいいよね」


 見てるだけでほのぼのとする。

 ちなみにリーフは本日、私のカバンの中に潜んでいる。


 さて、そろそろ食材調達に行かねば。

 たまに移動販売車が来たり、弟が沢山食べものを買い込んで送ってくれるけど、自分で好きなのを選べる貴重な機会だしね。


 買い物をしつつ、ひなたとランチとしてフードコートでハンバーガーを食べたりもした。

 この場では人目があるのでリーフがご飯お預けになって少しかわいそうだな。


 そう思ってお土産にたい焼きを買っておく。


 そうして買い物を終えてまたケンタローおじさんの車で送ってもらった。

 その帰り道。



「ひなたちゃんはメダカ好きだっちゅーとったな?」

「はい!」

「あそこに見えてる川、原種メダカならおるよ」


 あ、あそこか、確かにメダカもいそうな川がある。


「なるほど!! そういえば自力で獲るって手もありますね! 今度網持って挑戦しようかな」


 などという雑談をしつつ家の前に着いた。


「「今日はありがとうございました!」」

「いやいや、なんの。またなー」



「そう言えばひなた。原種メダカもかわいいとは思うけど地味じゃない? 改良メダカのキレイなのを増やしたいんじゃないの?」


 交配して混ざると先祖返りしない?


「むむ、どっちも好きなので悩ましいです。あと、既にあれらを混ぜて池で泳がすならこの時点でミックスですし」 



 さて、家に上がってスーパーで買ってきた食材達を冷蔵庫や冷凍庫にしまう作業をする。


 この祖父母の田舎の家には駄菓子屋の手前にあるアイスクリームの販売ケースのような大きい冷凍庫があるのが救い。

 祖父は猟師でもあったので、ジビエ肉をしまう為に大きめの冷凍庫を持っていて、未だ動く。


『お腹すきましたぁ』

「あ、そうだった! リーフは昼ご飯食べられてなかったよね! お土産の鯛焼き食べる!?」

『食べますぅ』



 その後は三人でお茶と鯛焼きをいただいた。



「あ、鈴先生、私は暑いので今日は緑茶じゃなくて炭酸水飲を飲みます」

「はーい、了解」

『うまうまですぅ』


 マジで鯛焼きは夏にたべてもうまうまである。
























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