ある人物の手記

 動物のようになりたい。

 そう願った経験は、多くの人にあるのではないだろうか。


 空をはばたく鳥に、

 たくましい犬に、

 柔らかくしなやかな猫に――


 その自由さに、

 その強さに、

 その気ままさに――


 あこがれたことがあるのではないだろうか。

 あるいは、今も夢見ているのではないだろうか。


 人間である私に、彼らのような能力はない。

 しかしこの場所では、夢を実現した者と共に生きることができる。


 同時に、彼らの現実を目の当たりにせざるを得なくなる。

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