第29話~魔力補充は温泉で、再び~
「あぁ、生き返りますねぇ」
ピエタ村の温泉施設、来客用の露天風呂に二人の女がいた。リスタルト王国白の騎士団の先遣隊だ。ショートカットでつり眉のほうの名はミオン、ポニーテールを下ろした童顔の騎士はマナと言った。
「それにしてもミオンさん。よかったんですか? 中央教会、いやメリダの神官の滞在を認めて」
「フィリー様が着任するまでだ。もし本当に魔族が出るのであれば、神官の力があるに越したことはない。まぁ、実際に魔族を見たという話も怪しいものだがな」
「そうですよね。私、魔族なんて見るのも嫌です。気持ち悪い」
そんな二人の会話をアンジェは脱衣室に忍び込んで聞いていた。
「何よ、魔族のナニも知らないくせに……それで、どうするんですか?」
胸元から一方の顔を魔王蛇がのぞかせる。
「合図をしたら、この間と同じように、闇を落とすのだ」
「でも、相手は騎士ですよ。しかも二人」
「心配するな、こちらも頭が二つだ。丁度よかろう」
魔王蛇はアンジェの法衣の中から出ると、隙間に潜り込み、音もなく二人の女騎士の元へと向かった。
身体を洗っているミオンの姿を、湯船から見ていたマナは、湯船からあがってミオンの背後に座った。
「背中、流してあげる」
「ああ、すまない。頼む」
ミオンからタオルを受け取ると、石鹸を取って泡立て始めた。
「やっぱミオンって、スタイル良いよね」
「何を言いだすんだ!」
「私だって、もう少しこう、出るとこ出てさぁ」
その時、闇が落ちた。周囲が突如として深淵の暗さに染まる。
「ふえっ?」
「なっ!」
魔王蛇は背後からマナに飛び掛かると二人に巻き付いた。魔王蛇は闇の中でも二人の裸体が見えていた。蛇に巻き付かれ、ミオンとマナの身体が密着する。そのまま、魔王蛇は両方の頭をマナの腕に絡ませた。
「マナ! 何をするの」
両腕に絡みついた魔王蛇はマナの腕を操り、ミオンの乳房にその手の平を添えて動かした。
「な、何って、何かが巻き付いてて」
「やっ、やめなさい。あっ!」
泡でぬるぬるした手の平が、胸の突起を上下に擦る。暗闇の中での突然の刺激に、ミオンは呼吸を荒くした。
魔王蛇の拘束から抜け出そうとマナが身体を動かす。しかし、腰に巻き付いた力は強く、もがくほどマナの胸の突起がミオンの背中をくすぐる。その動きは両方に刺激を与えることになった。
「や、やめてマナ、動かないで!」
「そんな事言っても、何がどうなってるのぉ」
《常闇(ダークネス)》の魔法は《光球(ライト)》で打ち消すことができる。少し冷静になればわかることだった。しかし、突然の暗闇と身体の自由を奪われたことから、二人の騎士はパニックになっていた。そんな好機を見逃す魔王ではなかった。
双頭の蛇の二つの頭が口を開けてミオンの双丘にむしゃぶりつく。蛇の舌が突起に絡まる。
「やッ! な、なにぃ! んあっ!」
「どうしたのミオン?」
身体を襲う快感にミオンは耐えた。先輩騎士として感じてる声をマナに聞かれるわけにはいかない。
「な、何でもないわ。それより、これはおそらく……んんっ、魔法による闇ー」
魔法を使用するには、意識の集中が必要になる。それができそうにないミオンは、まだ余裕のありそうなマナに頼もうとした。しかし、先の先を制するのが得意な魔王は、そのまま《振動(バイブレーション)》の魔法を発動させた。
「ふあっ! むぅぅぅ、うぅぅ」
ミオンは唇を噛んで襲い掛かる快楽に耐える。その振動はマナの腕にも伝わる。
「ねぇ、ミオン。大丈夫なの?」
リスタルの女騎士達もメリダの神官と同様に、日常では魔力の漏出を抑える事が課せられていた。その為か、こうした刺激に耐性はない。
「ダメ、力が……」
ミオンの身体が脱力する。その好機を逃す魔王ではなかった。口を離すと、マナの腕から離れ、スルスルと身体を伝わりミオンの足の間に頭を滑り込ませた。
「あはぁ!、だ、ダメ、そこは!」
耐えきれず、声を張り上げるミオン。
「どうしたの!」
解放された腕で、ミオンを背後から支えようとしたマナのお尻を、もう片方の頭が這った。
「へっ……やっ、なに、これっ!」
「あっ、ダメ、はいっちゃう!」
もう片方の頭も同じようにマナの足の間に滑り込んだ。双頭の蛇は、二つの頭を二人の女騎士の胎内に同時に潜りこませた。
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