第24話~坑道の情事~
「人間の女、名前は何と言う?」
「ア、アンジェです」
「よ、良い名だ」
アンジェの前に同じように座り込んだ蒼魔族の戦士は、優しい目でアンジェの顔を見つめると、頬に手を添えた。
「美しい」
「えっ? えっー!」
思わぬ言葉を囁かれ、アンジェは蒼魔族の戦士の顔を改めて見た。仄かに青い肌以外は、容姿は人間と変わりない。それどころか、切れ長の一重に通った鼻筋は美青年と言えない事もなく、よく見ると思ったよりも幼い。鍛え上げられた鋼鉄のような肉体は魔族のものであったが、アンジェはその身体つきに目を奪われた。
「あ、あの……」
「俺の名はミスリア。蒼魔族の戦士だ」
そう言うと、ミスリアはアンジェに唇を重ねた。
その口づけは、ぎこちなく優しかった。戦士の手がアンジェの胸に触れる。しかし、すぐ手を離すと、手の平を見ながら、指を閉じたり開いたりを繰り返した。その挙動を不思議に思ったアンジェは、恐る恐る尋ねる。
「ど、どうしたの?」
先ほどのキスで、蒼魔族に対する恐怖心は若干和らいでいた。無理やり犯されると思っていたが、どうも勝手が違うようだ。
「人間の女とは、こうも柔らかいものなのか…」
戦士は再び、法衣の上からその胸を掴んだ。その力にアンジェが悲鳴を上げる。
「痛い!」
その声に反応して、すぐに戦士は手をひっこめた。
「す、すまん。その、どう触れてよいかわからなくて」
落ち着かない挙動と、先ほどのぎこちない口づけ。もしかしてと思い、アンジェは聞いた。
「もしかして、あなた。初めてなの?」
蒼魔族の戦士の青白い顔が、赤く染まる。
「そ、蒼魔族の男は、そう簡単に操を捨てたりはしないのだ! そ、それに俺はまだ、一人前の戦士として……」
わかりやすく狼狽える姿を見て、アンジェは頬が緩んだ。戦士の股間にアンジェの指が触れると、ソレは硬くなっているのがわかった。というより、戦士のソレは硬すぎた。
「な、なに……これ」
触れた感じ、形は人と何ら変わらなかった。大きさも規格外に大きいわけでもない。ただ、まったく違うのはその硬さだ。まるで鉄でできた棒のようだった。アンジェが思わず手を引く。戦士が立ち上がる。
「俺のは、変か?」
「そ、そんな事ないわ。少し驚いただけ」
欲望と好奇心がアンジェを大胆にする。戸惑う戦士の腰の衣服をアンジェが脱がす。されるがままの戦士は、少し恥ずかしそうだった。
アンジェは戦士のソレを両手で包み込み、ゆっくりと手を動かした。温かく柔らかな手に擦られると、戦士は目を閉じてその快感に耐えた。その表情は、アンジェを新たな性癖を目覚めさせそうだった。
(私、いけない事してる)
戦士の先端からは、青臭い匂いと共に粘液が滲みでていた。アンジェはそれを舌先ですくった。
「うおっ!」
戦士が声をあげる。間髪いれず、アンジェがソレを口に含んだ。この数日で咥え込んだどのモノよりも、それは硬かった。
「すごい、硬い……」
咥えながら、この硬質の武器で身体を貫かれる事を想像すると、アンジェは下腹部に熱を感じた。
「だ、ダメだ。これ以上は」
アンジェが武器の根元を握りこむ。暴発しそうな武器が思いとどまった。
「まだ、イッちゃダメよ」
悪戯っぽく笑うと、アンジェも立ち上がり、自ら法衣を脱ぎ去った。
服の中に隠れていた魔王トカゲは、脱ぎ捨てられた法衣から頭を出して、アンジェに声を送った。
「なぜやめる。早くその魔族の魔力を吸いとってしまえ」
アンジェは魔王を一瞥すると首を横に振った。
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