第25話~アンジェの欲

 アンジェは考えた。この魔族の魔力を吸い尽くしてしまえば、二回戦は望めない。この戦士のカチカチの武器を味わってみたかった。何より、魔族と交配(セックス)するというメリダの神官としては、最大の禁忌ともいえる行為がもたらす背徳感にアンジェは酔っていた。

 脱いだ法衣の上に座る。戦士の視線がその身体に釘付けになる。アンジェは戦士を手招きした。周囲を少し気にする様子を見せたが、誘惑には勝てず、戦士は上着も脱ぐと、身体を重ねてきた。


「これが魔族の肉体なのね」


 被さってきた戦士の身体は硬く少しヒンヤリとした。戦士のほうも、アンジェの身体の柔らかさと温もりに、ある種の懐かしさと感動を覚えていた。青魔族の男は物心ついた時から戦士として生きる事を強いられる。母親の温もりなどは記憶にない。戦士は、まるで赤子に戻ったかのように、本能でアンジェの乳房に顔を埋め、その先端のピンクの蕾を吸った。

 戦士の硬い舌先がザラザラと性感帯をなぞる。自分で弄るより強い快楽がアンジェの脳を溶かす。


「お願い……下も舐めて」


 大きく広げた脚の狭間に、戦士が顔を埋めた。茂みは粘液で濡れそぼり、開いた裂け目からは桃色の肉が見える。戦士の舌が甘い蜜をすくう。


「あぁぁ! それ、いいの……もっと」


 アンジェがその太腿で戦士の頭を挟み込む。舌が蠢く度、快感が昇ってはくる。しかし、絶頂には至らない。《眷属の萌芽》を埋められた身体は、魔王以外でイクことはなかった。それがもどかしく、じれったい。

 顔を上げた戦士の、淫汁でびちゃびちゃになった口元をアンジェの指がなぞる。


「ねぇ……こっちに来て」


 アンジェは戦士に潤んだ瞳でお願いすると、近くに隠れていた魔王トカゲを掴んで立ち上がった。


「な、なにをする!」


 急に捕らわれた魔王トカゲがアンジェの手の中で手足をバタバタさせた。

魔王の言葉を無視すると、アンジェは先ほど双頭の蛇が隠れた岩の隙間に行くと、そこを覗き込むように手をつき、尻を突き出した。

戦士がその双肉を掴んで広げ、硬い腰のモノを挿し込んだ。


「あっ、凄い、硬いぃい!」


 神官カリアの神木とは比べ物にならないほどの硬いモノが入ってくる。戦士が腰を動かすと、先端がアンジェの内襞をゴリゴリと擦り上げる。


「あぁ、当たる。気持ちいいとこにあたってる」


 柔らかな肉襞が戦士の武器をきゅうきゅうと締め上げる。その蕩けるような快感に、戦士は我を忘れた。


「もっとぉ、もっと突き上げてぇ!」


 アンジェの言葉に、戦士が反応する。腰を掴むと激しく突き上げる。アンジェは手にした魔王トカゲを二人が結合している部分に添えた。その意図を理解した魔王は、めくれ上がった肉芽に舌を伸ばした。硬いモノで突かれ熱くなっているとこに、ヒンヤリとしたトカゲの舌は刺激的だった。


「はぁぁぁ!」


 アンジェのあげる声が一段高くなる。


「イク、いっちゃぅぅ!」


 アンジェの柔らかな肉襞が戦士の硬いソレを何度も締め付ける。それに耐えられるものではなかった。


「で、出る!」


 腰の武器から放たれた魔力がアンジェに吸い取られる。と同時に、魔王トカゲの手、いや舌によってアンジェは絶頂を迎えた。

 戦士とアンジェの魔力が交じり合い凝縮され増幅する、それが魔王トカゲに注ぎ込まれた。


「この魔力の量、器が耐えきれん!」


 坑道の中で起きた魔力の奔流に当てられたのか、双頭の蛇が巣穴から顔をのぞかせた。その好機を見逃す魔王ではなかった。魔力の量は充分すぎるほど溜まっている。


「《魂の転生(リインカネーショ)》」


 魔王が禁呪を唱える。魔王の魂が双頭の蛇に乗り移る。その直後、トカゲの身体はその魔力に耐えきれず、四散した。

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