ひなたのうた～潮風の吹く街で

第7話 海辺のカラオケ

ある日の午後、カラオケサークルのメンバーたちは、海辺で歌を楽しむために集まっていた。赤穂市の穏やかな海岸は、青い空と静かな波の音に包まれ、心地よい雰囲気を醸し出していた。

「今日は海辺でカラオケをしよう！」たろうが提案し、みんなが賛成したのが始まりだった。

ひなたは海辺に来るのが初めてで、少し緊張していた。しかし、潮風に吹かれながら、青い海を見つめていると、その緊張も次第に和らいでいった。

「見て、ひなたくん！波がキラキラしてる！」あすかが嬉しそうに言った。

「本当だ、きれいだね。」ひなたは微笑んで答えた。

みんなでキャンプ用の椅子を並べ、簡易のカラオケセットを組み立てた。さくらが持ってきた小さなスピーカーとマイクで、海辺に軽快な音楽が流れ始めた。

「さあ、何を歌おうか？」さくらが言い、メンバーたちは楽しそうに選曲を始めた。

ひなたは、ふと、昔から好きだった歌を思い出した。海辺で聴くときっと素敵だろうと思い、その歌を選んだ。

「ひなたくん、いいね、その歌！」あすかが嬉しそうに言った。

ひなたは、優しいメロディに合わせて歌い始めた。海風が彼の歌声を運び、潮風の中で彼の心も解放されていくようだった。みんなも一緒に歌い、笑顔が絶えなかった。

「素敵な歌だね。」かずみ先生が満足そうに言った。

その後、みんなでおやつを食べながら、海辺で過ごす楽しい時間を楽しんだ。ひなたは、こうして友達と一緒に過ごすことが、今の自分にとって何よりも大切なことだと感じていた。

「今日は本当に楽しかったね。」ひなたは帰り道で言った。

「そうだね。またこういう日を作ろう。」さくらが微笑んで答えた。

海風が彼らの周りを包み込み、彼らの友情と歌声が、潮風の街の中で響いていた。