乾の章1 新人魔法少女ナナレイとオークとブラックドッグのハーフ

 酉の朱雀に勝利したタトーとナナレイは、朱雀の山を降りた。

「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン! 」

 黒い戦車の姿になったナナレイは、走る音を叫びながらタトーを朱雀の門に運んでいく。

 すると、目の前から一体のモンスターが現れた。

 黒いショートヘアーと黒い犬耳と猪の鼻、黒いサロペットと黒い犬の尻尾をした爆乳のモンスター娘である。

「よおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉし…………」

 黒いサロペットのモンスター娘は、目の前を見た。

「おい、邪魔すんなよ! 」

 ゴゴゴゴゴと音を立てながら、黒い戦車が黒いサロペットのモンスター娘に向かって走っている。

「うん、たく…………この世界に信号機は無いからなぁ。しゃあねぇ! 」

 黒いサロペットのモンスター娘は、腰から二丁の拳銃を手に取った。

 そして、銃弾を十二発打っ放す。

「止まりやがれ! 」

「あ! ううん……戦車だから痛くないね! 」

 放たれた銃弾は、高速で回転する無限軌道によってパチパチと弾き返された。

「ううん……こうなったら、魔法斧だ! 」

 黒いサロペットのモンスター娘は、拳銃から赤い玉を一つずつ取り出す。

 そして、その玉をおにぎりのように手で隠した。

 すると、大きな斧が現れた。

「行くぞ! うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 」

 大きな斧を両手に、黒いサロペットのモンスター娘がナナレイに向かって走り出した。

 そして、呪文を叫びながら無限軌道に斧を振り下ろす。

黒豚犬紅蓮斧くろぶたいぬぐれんふ! 」

「いだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 燃えたぎる炎の斧で、無限軌道をを切断。

 その拍子に、ナナレイの変身が解けた。

「うううん…………」

「ナナレイ! 」

 ナナレイは、足首からドボドボと血が流れている。

 タトーは、急い左手をナナレイの足にかざす。

朱雀すざく治癒ちゆほのお! 」

「ううう…………ううん…………」

 血まみれだった足はみるみる回復。

「お、おお! 」

 ナナレイは、地面を蹴れるくらいまで治った。

「ねぇ、あたしの大事な友達をよくも酷い目に遭わせたわね! 」

 タトーは、黒いサロペットのモンスター娘の方を見る。

「そっちが、止まんないから悪いだろう! 」

「ううん…………」

「ああ、怖え顔するんじゃよ…………たく………」

 タトーは、黒いサロペットのモンスター娘を怒り顔で睨みつけている。

 すると、ナナレイが黒いサロペットとモンスター娘の話しかけた。

「え、えーと、あなたは、オークかブラックドッグかわかりませんが、止めて頂いてありがとう! 」

「ううん? え!? 」

「ど、どういたしまして…………」

「ところで、あなたの名前は? 」

「ああ、名前かぁ…………オレの名前は、オブラ。オークとブラックドッグのハーフだ」

「せっかくなので、お礼にあなたのやりたいことをやろう! 」

「いいのか? ありがとう! 」

 タトーとナナレイは、助けたお礼にオブラのやりたいことに付き合った。



 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る