酉の章2 最強魔法少女タトーと新しい魔法少女
朱雀の山の門の近く。
桜の花びらが一つも無い森中で、一人の少女が切り株から黒い扉を見ていた。
黒いショートヘアーと黒いワンピースと爆乳と褐色肌の少女である。
彼女は、ビガ国にいた時から、黒い扉を探していた。
「うーん…………一時間も待っているけれど、例の魔法少女は、現れないね…………」
すると、黒い扉がガタッと開いた。
そして、そこから三人の少年が現れる。
弓矢使いと斧使いと剣士だ。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん! 喰った喰ったぁ! 」
「さすが最強魔法少女のだよ! 料理も最高だぁ! 」
「ああ! 」
「ううん、最強魔法少女が料理? 行ってみよう! 」
弓矢使い達が帰った後、黒いワンピースの少女は黒い扉のを開けた。
「いらっしゃいませぇ! 」
「え!? 」
黒いワンピースは、囲炉裏がある木造の部屋にやって来た。
目の前には、三毛猫のパーカーと黒い軍服をした褐色肌で爆乳の魔法少女がいる。
その魔法少女は、戦う気が無さそうなほどにニコニコの顔をしていた。
「あ、あなた最強魔法少女のタトーさんですね! 」
「え!? まさかに冒険者以外の人間にバレてたの? 」
「バレてたよ。ビガ国にいた時から! 」
「仕方ないわね。今日のスイーツセットはタダして上げる。ただし、口封じのためあなた人間のまま帰らせない。今日から、魔法少女よ! 」
「え!? うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん! やったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
「はあぁ? 」
「やった! やった! やった! やった! やった! やった! やった! やった! やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
黒いワンピースの少女は両手で拳を作って何度もジャンプをした。
なぜ、秘密を知った罰なのにこれほど喜んでいるのだろう?
タトーは、口に林檎が入りそうなほど大きな口を開けた。
そして、ゆっくりと口を閉じる。
「ねぇ、どうして魔法少女になることが嬉しいの? 」
「あたしは、最強魔法少女の力で魔法少女になりたかったの。魔法を使うことがすっごい夢だだったんだ! 」
「ううん。それは、ありがとお。けれど、欲しい魔法が手に入るとは、思わないでよ! 」
「ううん? 」
「あなたに与えるは、あたしが欲しい魔法よ。あなたには、変身魔法専門の魔法少女にしてあげる。明日から行く朱雀の山は、登頂するのに時間がかかるの。変身魔法であたしを助けてくれるかしら? 」
「タトーさんを助ける? やりたい、やりたい、やりたい、やりたい! 」
「やる気がすごい、人間ね」
翌日の朝。
タトーとナナレイは、朱雀の山の門の奥にいた。
ナナレイとは、タトーが昨日のお昼に出会った黒いワンピースの少女。
タトーの魔法で変身魔法専門の魔法少女になったのだ。
「ナナレイ。お願い! 」
「はい、タトーさん! 」
ナナレイは、両手を前について呪文を叫ぶ。
「
すると、ナナレイの体ゴゴゴゴゴと大きくなる。
そして、服や肌や髪が黒い金属の板に変化。
「ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン! 」
「その交換音は、叫ぶのね! 」
長い砲台と無限軌道が付いた黒い戦車が完成した。
タトーは、その戦車によじ上って中に入った。
「発進! 」
「ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ! 」
タトーの合図とともに、ナナレイは朱雀が待つ山頂へと走って行った。
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